防災についてのアンケート結果報告
2011年6月22日~30日に実施した『防災についてのアンケート』には2554名の方からご回答をいただきました。
約半数の方が日頃から地震に対して意識しており、家具の転倒防止や非常持ち出し袋の用意などはしていました。しかし今回のような大震災に直面し、準備していたものが役に立たなかったり、不十分だったことに気づく方も多かったようです。
今回は各項目でご回答いただいた結果のまとめと、多数いただいたフリーコメントを掲出いたします。
そして、私たちが提案した日常生活の中での備えがもしもの時に役立つという、「いつものもしも」の考え方にも多くの方が賛同していただきました。
- [1]回答者プロフィール
- [2]東日本大震災前の備えについて
- [3]今回の震災で、備える意識はどう変わったのでしょう
- [4]地震に対する備え、震災前後比較
- [5]無印の提案「いつものもしも」に関して
- [6]あなたにとっての「いつものもしも」を教えてください。
- [7]無印良品並びにくらしの良品研究所にやって欲しいこと、期待すること
[1]回答者プロフィール
回答者の4分の1は男性で、通常のアンケートより構成比の高さが目立ちます。
又、回答者の年齢分布も通常よりもやや高く、30代・40代を中心に幅広い方々から回答をいただいた結果になりました。
回答者のエリア分布は、関東が53%、関西が13%、東北が11%です。又、約6割の人が自宅以外にいました。
回答者の性別
N=2554
回答者の年齢
N=2554
地震発生時にいたエリア
- 関東(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)
- 1351名:52.9%
- 東北(青森・岩手・宮城・福島・秋田・山形)
- 267名:10.5%
- 甲信越(新潟・長野・山梨)
- 68名:2.6%
- 東海・中部(静岡・愛知・岐阜・三重)
- 200名:7.8%
- 北陸(石川・福井・富山)
- 26名:1.0%
- 関西(大阪・京都・滋賀・奈良・和歌山・兵庫)
- 321名:12.5%
- 中国(岡山・広島・鳥取・島根・山口)
- 73名:2.8%
- 四国(香川・徳島・愛媛・高知)
- 30名:1.1%
- 九州・沖縄(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄)
- 121名:4.7%
- 北海道
- 72名:2.8%
- 海外
- 25名:1.0%
地震発生時にいた場所
学校や職場(屋内) | 41.5% |
自宅 | 36.7% |
その他 | 8.8% |
ショッピングセンターや銀行、遊園地など慣れない場所 | 6.5% |
電車やバスなど車で移動中 | 4.7% |
屋外で仕事をしていた | 1.9% |
[2]東日本大震災前の備えについて
日常から、地震についてどの程度意識していましたかと聞いたところ、『やや意識していた』42%、『かなり意識していた』12%と、過半数の方が意識していたと答えています。
反面、『あまり意識していなかった』32%、『まったく意識していなかった』8%と、意識の低かった人が40%でした。阪神淡路や中越沖地震など、過去にも大地震を経験してきましたがやや風化し始めていたのかもしれません。
日常の震災意識
N=2554
「かなり・やや意識していた」と答えた54%の方の年齢別の内訳
※20歳未満の回答数は、他年齢と比べて非常に少なくなっています
意識の比較的高かった人を、年齢別に見てみると、50代が最も高く、年代が若くなるほど意識が低くなっている傾向でした。
備えをしていたきっかけを自由回答で聞いたところ、震災を体験して、守るべきものができた、日頃の防災訓練への参加など、各人の人生経験や知識量が防災意識に大きく関係しているようです。
家族や子供を守りたい
-
2004年に息子が誕生して以来です。小さな命を守れるのは私たち親しかいないので。
(女性・40代) -
宮城県仙台市に住んでおり、歴史的に30年に一度大地震が発生しており、すでに前回の大地震(昭和53年)から33年が過ぎているため、いつきてもおかしくないという情報が宮城県や仙台市の広報、地域の民生委員などから声掛けがあっていた。仙台在住とはいえ、夫婦ともに他県の出身であり実家が遠いため、いざ地震が発生したときに周りに頼る人がいないので、自分たちの身は自分で守るという意識が強かった。
(女性・30代)
防災や避難訓練に参加して
-
自治会内で防災訓練があったので参加した
(女性・50代) -
静岡県出身なので、家具はすべて留めてあるし、幼いころから家族で話したり学校で訓練があったりと、地震を意識する環境だったため。
(女性・20代) -
私も妻も東京出身で、小さい頃から学校などで防災訓練を受けており、元々防災意識は高い。
(男性・40代)
報道等を見て、他人ごとではない
-
テレビなどで、災害のニュースを見ると『他人ごとではない』と思うからです。
(女性・30代) -
ブログで毎年9月9日(救急の日)に非常持ち出し袋や保存食などの見直しをすることを決めているという人の記事を見て、我が家も参考にしようと思った。
(女性・30代) -
やっぱり世界の地震のニュースを見るたびに、人ごとじゃないと心のどこかで思っていたから。
(女性・30代)
いつ起こってもおかしくない地域だから
-
関東は大震災のリスクが大きいと前から言われています。我が家は高層マンション(賃貸)なので、自宅が無事である場合はおそらく避難所には入れません。人口の多い地区でもあることから、食糧等の配給も受けられないであろうと予測し、備えをしておこうと思いました。
(女性・30代) -
関東地方における地震がいつ起こってもおかしくないという情報を知っていたので、引っ越しした際にすべての家具に対して転倒防止などの措置をしました。
(女性・50代) -
宮城県は、大地震の危険喚起されていた。3月11日の大地震前にも、大きな地震があり、危機感を持っていたため。
(男性・30代) -
宮城県石巻市で生活し始めて5年目位にデカイ地震があり、棚のものなどが全て落下し大変だったので、アパート時代から地震対策はしていた。自宅を建築する際は、宮城県沖地震を想定して、各ライフラインの復旧速度も考えオール電化で太陽光発電を備え、免震、耐火の構造にこだわって建てた。
(女性・40代) -
宮城出身なので、必ず宮城県沖地震が来ると思っていたので。
(女性・30代)
日頃から、「備え」として準備していたこと(物)はありますか?
N=2554
「備え」として行っていたことで比較的多かったのは、家具の転倒防止44%、次いで非常持ち出し袋の準備43%でした。一方、まったく何もしていなかった人が19%もいて、日頃の備えが十分とは言えない状況でした。
40%以上の人が準備していた物は、懐中電灯、ラジオ、軍手、ティッシュ、ウェットティッシュ、マスク、タオル、救急判、常備薬、水、缶詰、レトルト食品などですが、賞味期限切れや使い方がわからなかったなど、役に立たなかった備えが多くあったようです。
[3]今回の震災で、備える意識はどう変わったのでしょう
震災後関心が高まったこと
N=2554
震災前に比べ、もしもの時の日常の備えや外出時の携行品、避難場所・家族との連絡などへの関心が高まっています。また、今回の震災の教訓として、情報収集に役立ったと評価の高いtwitterやfacebookなどSNS、またスマートフォンなど地震に役立つサービスやアプリケーションへの関心が高まりました。
年代別では震災前「備え」の意識が低かった20代~30代前半の若者の関心の高まりが目立ちます。
もしもの時の日常の備えや外出時の持ち物はもちろん、SNSや携帯電話のサービスや家族間の避難場所・経路確認など、各項目で高い数値を示しました。この意識を風化させずに備えを実行して欲しいものです。
※2011年1月より「良品と防災」という名称で取り組んできたプロジェクト名を「いつものもしも」に変更しました
-
1
- 2011年4月6日 いま、できること。続けていくこと。
-
2
- 2011年6月15日 いつものもしも
-
3
- 2011年6月22日 防災についてのアンケート(終了)
-
4
- 2011年8月31日 防災についてのアンケート結果報告
-
5
- 2014年3月11日 ワークショップレポート
-
6
- 2015年3月18日 「いつものもしも」防災ワークショップ開催
-
7
- 2016年1月13日 2015年プロジェクト活動レポート
-
8
- 2016年3月30日 団地の住民、施設、地域のつながりを生む防災イベント
-
9
活動レポート
きっかけは震災等を経験して
16年前に阪神大震災を被災したため
1982年の長崎大水害がきっかけです。
1989年にサンフランシスコ郊外で大地震を体験し、日頃からの備えの必要性を実感したから。
1)子供の頃、宮城県沖地震を経験した、2)学校・職場で日常的に地震や津波に対する訓練・シュミレーションを行っていた