2015年プロジェクト活動レポート
防災の大切さを知るきっかけが、被災することであってはならない。
今年は、東日本大震災から5年を迎えます。
被災地では、その爪あとは深く残り、心の傷が癒されることはありません。
しかしながら、時間の経過は、私達が体験した未曾有の大災害でさえも徐々に風化させていきます。
防災の大切さを知るきっかけが、被災することであってはならない。
無印良品ではプロジェクト「いつものもしも」が、一人でも多くの方の防災を始めるきっかけになりたいと思い、活動を続けてきました。
昨年は様々な取り組みを行いました。
3月のUR都市機構との共同ののち、5月にデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)にて「いつものもしも考」と題し、当館の副センター長でもあるNPO法人プラス・アーツ理事長の永田宏和さんが講師を務め、一般の方を対象にゼミを開講しました。防災を自分ごととして考えはじめた人達の、純粋で強く、楽しい「いつものもしも」のアイデアが生まれました。
(ゼミの成果をまとめた冊子を製作中です。完成次第、詳細を当ページでお知らせいたします。)
今後も、防災について語らう場を作る事、それも防災の専門家ではない人々が集まる場所の必要を感じています。
7月、無印良品嬬恋キャンプ場で開催されたソトデナニスル2015に参加しました。
被災後の長期間の自宅避難を想定し、備えるべきものやことを、紙芝居や体験を通じて伝えるプログラムを作り実施しました。小さいお子さんを連れた参加者も多く、特に食事に関心が集まりました。
カセットこんろとカセットこんろ用のボンベを一定量備蓄する事や、それを用いた節水での炊飯、調理法などを紹介しました。
9月1日の防災の日には、無印良品の店頭でも同様の防災プロモーションを実施しました。食べ慣れたレトルトカレーも、ローリングストック法と呼ばれる備蓄方法を用いる事で非常食になる事を、試食とともに伝えました。怠りがちな歯磨きによって体調を崩してしまう事があるため、水を使わずに歯磨きできる歯みがきシートの試用をしてもらいました。また、普段から持ち歩いてほしい最低限のものから、1か月を想定した自宅避難で必要になるものまでのチェックリストを配布しました。
11、12月には、神戸大学附属中等教育学校の特別授業の講師を務めました。
防災用品をデザインするという難題を、3年生全員が挑戦し、防災の必要性を理解し、様々な提案をしてくれました。
底冷えする避難所を想定した、小さなハンモックのような形の浮いた寝具は、公園やベランダ、室内で普段使いしても、とても気持ちの良いもの。被災時のペットの事を考えた、仕組みをデザインした生徒も。
しかし何よりも、この課題を通じ、生徒達が防災について考えた事が重要だと思います。
地震大国である日本で暮らしていく上で、震災はなくならないリスクだからです。
今年は、新商品の発売、店頭でのイベント、外部との共同など、引き続き様々な活動を行っていきます。
加えて、様々な切り口で防災に取り組む人や団体、活動を紹介させていただきたいと思います。
震災のインパクトが薄れていく中で、再び、学ぶ姿勢を大切に、防災の輪を広げていきたいと思います。
[直近の活動予定]
2016年3月5日、3月6日
UR都市機構主催のイベントに企画運営として参加予定
第二回DANCHI Caravan
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1
- 2011年4月6日 いま、できること。続けていくこと。
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2
- 2011年6月15日 いつものもしも
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3
- 2011年6月22日 防災についてのアンケート(終了)
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4
- 2011年8月31日 防災についてのアンケート結果報告
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5
- 2014年3月11日 ワークショップレポート
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6
- 2015年3月18日 「いつものもしも」防災ワークショップ開催
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7
- 2016年1月13日 2015年プロジェクト活動レポート
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8
- 2016年3月30日 団地の住民、施設、地域のつながりを生む防災イベント
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9
活動レポート