MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト 対談
地域社会とのつながり

「自分事化」することが大事
田鎖
地域の活性化といった時に、「人を集める」、「集う」、「テーマを共有して行う」というキーワードが見えて、共通点のひとつとして「コミュニケーション」「コミュニティ」というテーマがあるような気がします。
例えば松﨑さん、先ほどの「みんなみ」は他の方々とのコラボレーションでやられてましたけど、社員はどうするんですか。
松﨑
基本的に地域活性化の取り組みは社員の公募をしまして、「わたしがやりたい」という人の中から選ぶようにしています。これは非常に大事なことで、やはり我々はお助けではないんですね。自分事化するためには、やっぱり「自分がやりたいんだ」と、そういう人に行ってもらって地域に巻き込まれてやっていくという姿勢が非常に大事だと思っています。基本的には公募で人を募集しております。
田鎖
光が丘の中でやっていただいている店長もそうだと聞いています。
松﨑
その通りです。
中島
光が丘団地の無印良品店舗で働く社員さんが、「(UR団地での店舗は、)すごく嬉しくて、喜んで来たんです」と仰っていて、無印良品さんの取り組む姿勢、社員さんの目線がわかっていらっしゃって、とてもいいお話だと思いました。
若い力によって解決できることがある
田鎖
自分事化するということが地域の活性化にも重要なテーマですよね。
中島理事長のお言葉にも「ミクストコミュニティ」というのがありますよね。みなさんとどう関わるのか、例えば社員との関わり、他の協業会社との関わり、という意味ではコミュニティをどう考えていらっしゃいますか。
中島
お年寄りのケアをするのは大事なんですが、若い人が入ってもらうのはもっと大事で、若い人に入っていただくことで解決することはたくさんあります。実は無印良品さんの最大の効果というのは、若い方への訴求力が全然違うんですよね。我々も1,000戸くらいやっていただいて、すごく感じてます。そういう意味でもいいパートナーを得てすごい幸せだなと思っています。今後ともよろしくお願いします(笑)。
田鎖
ありがとうございます(笑)。URさんは全国で一番多い公共の賃貸住宅をお持ちということで、我々も考え方が非常に勉強になるというところで、ご一緒させていただいて感謝しております。 社会的な課題の解決というところがお二方の中でもテーマですよね。そのひとつは高齢化ということと考えていいのでしょうか。
中島
もちろんそういうふうに考えています。それが大きな課題です。
田鎖
お住まいいただく方の年齢層というのもコミュニティの中にはありますよね。
中島
URは日本全体社会の高齢化よりも先を進んでまして、お年寄りの方に選んでいただいて、長く住んでいただいている。これはとってもいいことなんですが、一方で、持続可能性とか防災に備えるとか、団地の中の店揃えとか魅力とか活気とかいろいろ考えると、ミクストコミュニティ、特に子育て世代にも住んでいただきたい。環境的には非常にいいので子育て世代にはぴったりなんです。歴史的にもそういう方々に住んでいただいて、大量供給してきて今があるんですけれど。若い世代の方々に目を向けてもらえるように無印良品さんの力を借りてやっていきたいと思っています。
松﨑
私が無印良品に入社した時は、お客様の平均年齢は38~40歳。毎年1歳ずつ高齢化社会になっていきますので年が増えていくということだったのですが、おかげさまで最近はヘルスアンドビューティを代表するような化粧水をお求めになる若いお客様、あと靴下や日用品、身の回りのものを購入いただく方が増えておりまして、10代~20代前半のお客様がけっこう増えてきているんですね。食品もおかげさまで好評ですので、テレビを見て当社のカレーを買いに来ていただく方、そういう方たちが増えておりまして、年齢構成はだんだん若返ってきてますね。