MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト 対談
地域社会とのつながり
2021年3月に「地域社会とのつながり」をテーマに、UR都市機構理事長の中島正弘氏と、株式会社MUJI HOUSE 代表取締役社長 松﨑曉、株式会社MUJI HOUSE 専務取締役 田鎖郁男との対談を開催しました。
※MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト発表会の動画はこちら。
中島 正弘 氏
松﨑 曉 氏
田鎖 郁男 氏
- 田鎖
- 今回「地域社会のとのつながり」というテーマでいろいろなお話を展開していきたいのですが、両社がどのような取り組みをしているのか、みなさまにあまり知られていない内容もあるので、まずは現在、良品計画、そしてMUJI HOUSEがどういう形で地域社会とのつながりを目指しているのかを松﨑よりお話させていただきたいと思います。
- 松﨑
- 私からは無印良品として地域と連携して進めてまいりました地域活性化の取り組みについてお話をさせていただきます。
無印良品は1980年に「わけあって安い」というキャッチコピーで、行き過ぎた消費社会へのアンチテーゼとして誕生しました。無印良品は誕生したときから、消費者である生活者が無印良品を使ってどう暮らすか、ということに想いを馳せていました。
今、わたしたちは衣食住の生活の基本領域において、正直な品質と納得できる商品を適正価格で提供すること、また、それぞれの店舗がその地域の活性化に取り組む「個店経営」を推進することで「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指しています。
商いを通じて社会に貢献するということは無印良品が生まれたときからの事業の根幹でした。社会全体や各地域で、今、起きている課題に無印良品の商品やサービスを通じて「良心とクリエイティブ」から、より良い方向へ解決していくESG経営のトップランナーを目指しています。
地域と繋がる活動においては、URさんとのお取り組みはもとより、各自治体や地元住人が主役となってそれに無印良品が巻き込まれる形で、地域を活性化させていく、さまざまな取り組みを進めています。
地域課題解決を支援するウェブサイト、「ローカルニッポン」を2015年2月に開設いたしました。人と人との繋がりを深めて、コミュニティを再生すること、身近なところから自然との共生を取り戻すこと等々、さまざまな取り組みがすでに日本各地で始まっています。そうした活動やそれを担う人々をご紹介しながら地域の魅力に気づくきっかけ、連携の場所となることを目指しています。
2014年にスタートした、鴨川里山トラストにおいて、地元住民の方々と無印良品のお客様との繋がりを生み出したり、地域資源の活用を進める活動を通して生産者、関連団体、企業、行政と共に積極的な取り組みをスタートしました。主な活動をご紹介いたします。
千葉県鴨川市の総合交流ターミナル「里のMUJIみんなみの里」。良品計画が指定管理者として運営しており、地域の農産物や物産の販売に加えて、無印良品の店舗およびCafé&Meal MUJIがあります。鴨川から始めたことが、南房総市、大多喜町、いすみ市と広がっています。
酒田市では鳥海山のふもとで当社社員が移住し、軽トラックを活用した移動販売から開始しました。
上越市では地域活性化に加えて公共交通の利便性向上、利用促進に関すること、高齢者支援に関することなど10の分野で連携、協力しています。昨年7月に世界最大の無印良品の店舗を直江津にオープンしました。
福島県浪江町に復興のシンボルとしてプレオープンしました「道の駅なみえ」に無印良品が3月20日に出店します。この店舗は官民共同の取り組みにより、住人主体の街づくりを行う一般社団法人「街づくりなみえ」に店舗の運営を委託するライセンスストアです。
地域における主な活動をご紹介しましたが他にも公共のデザインや、店舗の活動、生産者への支援など様々な取り組みを続けています。
今後も「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指し、地域と繋がる取り組みを積極的に進めてまいります。 - 田鎖
- ありがとうございます。中島理事長から、感想をいただけますでしょうか。
- 中島
- 無印良品さんは色んなことやっているなというのを改めて感じました。社会の課題に取り組むというところは我々とも似ていると思っています。感心して拝見させていただきました。
- 田鎖
- ありがとうございます。無印良品というと店舗というイメージが強いのではと思うのですが、意外と地域との繋がりを作っています。そこが今回のMUJI×URにも繋がっているのではないかと思っています。 続いてURさんの方も社会貢献、地域の活性化という大きなテーマの中でいろいろな活動をされているので、中島理事長ご説明お願いいたします。