MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「築200年の団地の未来を考える」

※このレポートは、2019年1月20日に無印良品のリノベーション 青山店で行われたトークイベントの模様を採録しています。

MUJI×UR 今後の可能性
豊田
以前、MUJI×URのお部屋にトーリーという愛称の「住まいレポーター」が暮らしていました。
彼は大阪から東京へ引っ越し、東京の家賃の高さに驚いたそう。東京でも団地なら住みやすいと思ってもらえるような仕掛けができればいいのにとひらめき、先日開催された大阪のトークイベントでアイデアを話してくれました
彼がイメージしているのは、住民や地域のために働くことで家賃が一部補助されるといったものなどでした。坂田さん、URさんでそういった企画はいかがでしょうか?
坂田
そうですね。団地の一角でカフェを経営していただく、などは現在一部のURで実施していますが、今後はもっと、「住む」と「働く」が近付くような仕掛けができればいいなと思っています。法律的なハードルもあるためURだけですぐ行動に移すことは難しいですが、こういった場を通じてみなさんからご意見をお聞きし、世論を代弁するかたちで新たな行動を起こしていきたいと考えています。


最後に
豊田
築200年団地」は、決して軍艦島のように観光地として残すのではなく、トヨクニハウスのように住宅として稼働し続けることで、100年200年と残していけるような団地プロジェクトにしたいと考えています。
だからこそ、全国73万戸ある団地の住戸において、ハードだけでなくソフトの部分について考えることが非常に大事だと考えています。団地でお店を開いたりシェアハウスをしたり、一棟丸ごと借りて新たな活用方法を見つけるなど、いろんな可能性があります。緑豊かな団地の魅力を生かしつつ、後世に残したい場所にしていきましょう。
最後に、坂田さんからまとめをお願いいたします。
坂田
ヨーロッパでは世界遺産に認定された集合住宅が多数あります。時代を越えて残され続けた理由を、わたしたちはもっと知り、学ぶ必要があると思っています。
日本の文化はどちらかといえば木造建築です。世代交代を迎える際に、壊して新たに建て替えるという発想が強いと感じています。人口減少と空き家が増加し続けるいまの日本で、わたしたちは、古いものを生かして次世代につなげることについて、もっと考えるべきなのではないでしょうか。

このようなタイミングで、未来を見据えながらMUJI×URといった取り組みを実施させていただけることを非常にありがたく思っています。また、本日のような場を通じ、みなさんのご意見をお聞きできることに大変感謝しております。みなさんのご意見をしっかりと取り入れながら、引き続きMUJI×URを進めていきたいと思っています。
豊田
ありがとうございます。無印良品のWEBサイトでは、「築200年団地」や「団地再生物語」などの企画による情報発信を引き続き行ってまいります。みなさんからお寄せいただくご意見やアンケートのご回答は、次の商品開発に生かしてまいりますので、ぜひ今後もご協力いただけましたら幸いです。