MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「築200年の団地の未来を考える」

※このレポートは、2019年1月20日に無印良品のリノベーション 青山店で行われたトークイベントの模様を採録しています。

パネリスト:

坂田 辰男氏

UR都市機構本社住宅経営部。技術職(建築)。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの東日本での立ち上げメンバー。UR入社以来、主に団地のリノベーションに関わる商品企画や制度設計の業務に携わり、 次の世代に受け継がれる持続可能な団地とは何かを日々模索している。

 

豊田 輝人氏

株式会社MUJI HOUSE「無印良品の家」商品開発担当。
無印良品のリノベーションを中心に、マンション・戸建分譲など、無印良品の住空間新プロジェクトにも携わる。

坂田
みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。私はUR都市機構の坂田と申します。
無印良品とUR都市機構による「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト(以下、MUJI×UR)」は、2012年に西日本からスタートしています。翌年には関東へ拡大しており、私は東日本の立ち上げメンバーの一人としてプロジェクトに携わってまいりました。現在、UR本社でMUJI×URにおける統括的な役割を担っております。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
豊田
株式会社MUJI HOUSEの豊田です。MUJI×URでは主に設計を担当しております。本日は、設計に関するご説明などをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
本日のトークイベントでは、「築200年団地」という、わたしたちが掲げる団地の未来についてお話をしたうえで、これまで実際に「プロジェクトで実現したもの」についてご紹介します。最後に、「MUJI×UR 今後の可能性」に関してもお話したいと思います。


MUJI×URプロジェクトの概要
豊田
MUJI×URは現在7年目を迎えました。対象住戸は、累計700戸ほどあります。2012年に無印良品とUR都市機構が出会い、「若い方々に団地の魅力を届け、住んでいただこう!」とお互い意気投合し、このプロジェクトが生まれています。

MUJI×UR開始前、「団地について」のアンケートを実施し、2,200名以上に参加いただきました。
すると「いままで団地・公団に住んだことはありますか?」という質問に対し、「現在、団地に住んでいる」、「過去に団地に住んでいたことがある」という回答が51%。さらに「住んだことはないが訪問したり公園で遊んだことがある」と答えた方を含めると92%を占め、ほとんどの方々が何かしら団地に馴染みがあるという結果が得られました。
豊田
また、「間取りを自由にできるとよい」という回答も多く得られたため、自分で改装できる部分を多く取り入れるなど、できる限り自由度の高い暮らしを心掛け、リノベーションを行っていきました。
豊田
また、「どんな住まいなら住んでみたいですか?」という質問においては、「間取りを自由にできるとよい」というご意見を多くいただきました。そこで、MUJI×URを通じ、一人一人の暮らしに合わせた自由さのある住まいをご提案することにしました。
豊田
日本人の暮らしのスタンダードを考えてきたUR都市機構と無印良品が新たに提案する「暮らしの新しいスタンダード」として、「古いものを大切にしながら、新しい価値を与えること」と「賃貸であっても、住む人が編集する余地を残すこと」を大事にし、このプロジェクトを進めています。