MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「MUJI×UR 10周年記念トークイベント『これまで』と『これから』」

※このレポートは、2023年3月4日に泉北茶山台二丁団地で行われたトークイベントの模様を採録しています。

熊谷
「団地のひろばを使ってみよう」イベント後の取り組みについてご紹介します。近隣にある無印良品泉北パンジョ店の店内の様子です。イベントにご参加いただいた方に作っていただいた染物をクリスマスツリーの装飾として飾りつけをし、店内に展示いただきました。MUJIさんと連携しているからこそできた泉北茶山台二丁団地の活動をより多くの人に知ってもらえる取り組みとなりました。
熊谷
また12月の「団地のひろばを使ってみよう」イベントでは、MUJI×URリノベーション住戸にお住まいの入居者3名様が偶然に出会い、新しいつながりが生まれています。イベント実施後には3名様での座談会も実現し、MUJI×UR住戸で暮らす上での生活の工夫をお聞きしながら親睦も深めていただいています。
また座談会に来ていただいた入居者様は本日のイベントにもお越しいただいたり、イベント運営にもご協力いただいている方や、本日のイベントの企画の一つである土の染料で廃材を塗って可愛い雑貨を作るワークショップの先生を務めていただいている方などイベントの企画側として参画いただいています。12月での出会いをきっかけに団地に深く関わっていただいています。
熊谷
こうしたイベントやアンケートの結果を受け、広場活用のイメージを作成しました。広場の第1期改修工事としてMUJI×UR共同開発パーツ「つながるベンチ」の設置、塗装ペイントやイベント意匠用取り付け金具の設置を行うことにしました。
熊谷
改修工事にあたっては広場空間がよりよいものとなるよう、たくさんの関係者にご協力いただきながらファーニチャーの取り付け位置を入念に確認しながら工事を行いました。

改修工事により少し寂し気な雰囲気の広場空間から、広場の中心に向かって人が集いやすくなる空間へと変化を遂げました。
熊谷
広場改修のポイントの1つ目は組み合わせ自由なMUJI×UR共同開発パーツ「つながるベンチ」の設置です。

組み合わせ自由な特性を生かして長方形の「つながるベンチを組み合わせ、既存の正方形のベンチに倣って設置してみるなど工夫を加えながら広場の滞在性を向上させています。2つ目に広場の中心を捉えた塗装ペイントです。もともと住棟から同心円状に広がるのが特徴的な広場でしたが12月のイベントで実際に広場を使って見ながら改めて中心的な位置を捉え直し、その中心から広がる白線の塗装ペイントを施しています。

3つ目は意匠用取り付け金具の設置です。広場の中心を囲むようにガーランドなどの取り付けを行えるように設計しており、さらなる空間性を演出できるように工夫しています。
熊谷
今回導入されたMUJI×UR共同開発パーツです。「つながるベンチ」は可動式となっており、UR主催のイベント時などにはその内容に合わせてベンチの設置場所を変えることが可能です。ベンチ、テーブル、カウンター、高さの異なる3種類のパーツを組み合わせながら思い思いの過ごし方で空間を共有できます。MUJI×UR共同開発パーツ「つながるベンチ」の導入は泉北茶山台二丁団地が全国初となります。
熊谷
本日実施中の「となりのひろばを使ってみよう」イベントは、ひろばの第1期改修工事のお披露目の場でもあります。MUJIさんと連携し、地域で活動される方々によるマルシェやワークショップなど多数出店いただいています。午前中は大変盛況でいずれの店舗もたくさんの行列ができていました。本当にこれまでMUJIさんや多数の出店者さん、入居さんにご理解いただき、ようやくこの日を迎えることができ、本当にいい空間になり、私も涙が出るほど嬉しい気持ちになりました。
熊谷
続いて大阪府枚方市にある中宮第3団地の取り組みです。ここは平安時代の貴族の邸宅があったとされる御殿山の近くの高台に位置する団地でこの付近の「禁野」という地名は貴族以外の狩猟を禁じていたことが由来となっているなど、貴族文化の歴史を感じることのできるそんなエリアに立地する団地です。
熊谷
共用部の特徴がプール跡のある広場です。この六角形を連ねた形が印象的です。秋になればプール跡の傍らにある銀杏の木が落ち葉の黄色い絨毯を作ってくれます。

また戦前この一帯は陸軍の兵器用火薬などを収蔵する禁野火薬庫と、爆弾などを製造する枚方製造所が設置されていました。これらの倉庫が仮に爆発しても被害が拡大しないように誘爆を防ぐために作られた土塁の跡が団地内の敷地に今でも大切に保存されています。
熊谷
さらにサークル活動が活発なことも特徴です。敷地内のガーデンも丁寧に手入れがされており、昨年秋の団地のイベントではたくさんの人が訪れました。
熊谷
中宮第3団地においても昨年秋に実施されたイベントで今後どのような広場空間を目指すべきなのか検証するためのアンケートを実施、広場で楽しみたいことを投票いただいています。 お子様からご高齢の方までたくさんの方にご回答いただきました。

アンケートの結果では現在の団地のおすすめできる場所としては「自然・公園」と答えてくださった方が多数を占め、団地の未来に関する回答は「食・買い物」という回答が目立ちました。
熊谷
こうして中宮第3団地の広場活用を考えるなかでこのプール跡地の六角形をさらに分解してみると参画が集合していることに気が付きました。そこで三角を一つのキーワードとして地域の方々と居住者の皆様でイメージを膨らませました。

まずは六角形のプール跡にはまる三角形の模型を製作しました。ベンチやテーブルとして使ってみるなどいろいろな方法で三角を楽しむことができそうです。
熊谷
このように「MUJI×UR団地まるごとリノベーション となりのひろばを使ってみよう」の取り組みでは泉北茶山台二丁団地と中宮第3団地で定期的なイベントやワークショップを実施していく予定です。このような取り組みを通じて今ある団地らしさやコミュニティを大切にしたうえで皆様と一緒にとなりのひろば作りを考えていきたいと思います。以上を持ちまして「MUJI×UR 10周年記念トークイベント『これまで』と『これから』」を終了します。今後も最新情報はウェブサイトなどをぜひチェックしてみてください。本日はご清聴ありがとうございました。