MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「MUJI×UR 10周年記念トークイベント『これまで』と『これから』」

※このレポートは、2023年3月4日に泉北茶山台二丁団地で行われたトークイベントの模様を採録しています。

松本
こちらは全部で1500戸ほどの団地で中心には集会所や芝生の広場があり、屋外空間が豊かな団地です。
松本
この集会所があまり使われていないということで、ここをコミュニティの中心にしようというプロジェクトがスタートしました。

港南台かもめ団地でも高齢者が多く、特に単身高齢者が多いという課題がありました。そのため外出の機会が少ない方も多いのが現状です。そこでそういった方の外出機会を創出すること、そして団地に若年層を呼び込んで多世代交流をすることを目的と定めました。手段としては高齢者から若者まで気軽に集えるような場を作ろうと考え、集会所がその役割を果たせればと思いました。ハードの面では開かれた集会所にリノベーションすること、ソフトの面では実際に使用される団地にお住まいの方と意見交換をしながらみんなで作り上げていくこととしました。
松本
実際にコミュニケーションの場づくりとして「かもめプロジェクト」を発足しました。これは集会所を核とした世代を超えたコミュニティ形成を行う取り組みで、団地や地域の魅力発信、利用方法の検証を目的としています。活動内容の一つとしては団地集会所のこれからをテーマに話し合う「かもめ会議」があります。住民の方や周辺地域の方にどうやって集会所を使ってもらえるのかみんなで考えています。
松本
もう一つの活動内容が集会所や団地の屋外空間を活用したイベント「かもめマルシェ」の開催です。屋外空間が非常に魅力的なので、そこで無印良品の出張販売やワークショップなどを行っています。
松本
かもめ会議のなかで実際に集会所の図面を見ながらみなさんで話し合い、「集会所のなかでみんなで使えるシェアキッチンがあればいい」「屋外にもカフェテラスがあればみんなでおしゃべりができそう」といった意見が出ました。

またマルシェを開催するたびにアンケートを取り、かもめ会議に参加されていない方からも意見を出してもらえるようにしています。

ワークショップやアンケートから「開かれた集会所」というテーマを設定しました。具体的には共用部の開放ということでいつでも誰かと出会え、人が滞留できる空間作りを考えました。2つ目は人が集まる仕組みづくりとしてシェアキッチンや本棚、ギャラリー、カフェテラスなどのしつらえを考えました。3つ目はそれらをどう継続していくかということで持続可能なスキームの構築を考えました。
松本
実際にハードに落とし込むとこのような形になりました。もともと靴を脱いで集会所に入るオペレーションだったので、靴のまま出入りするように変更すればそのままエントランスから屋外のテラス空間まで行くことができます。そのなかで人が滞留できるように気持ちよく過ごしてもらえるようなしつらえがあれば使ってもらえるかなと思いました。
松本
こちらが改修イメージです。これはイベント時の様子ではなく日常的に人が集まって使ってもらえたらと思って描いています。日常的にゆるやかに住民が繋がっているような過ごし方ができればいいなと思っています。