MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「MUJI×UR 10周年記念トークイベント『これまで』と『これから』」

※このレポートは、2023年3月4日に泉北茶山台二丁団地で行われたトークイベントの模様を採録しています。

part4:団地まるごとリノベーション「~となりのひろば~」について
熊谷
ここからは関西における「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」について私からご紹介します。今回の「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」では「となりのひろば」と称した取り組みを実施してまいります。
熊谷
「となりのひろば」ではMUJI×URのスタート時に再発見した魅力でもある贅沢な屋外共用部をいつもただ通り過ぎてしまうだけだった場所から、もっと身近で思わず訪れたくなるような、みんなにとっての「となりのひろば」を作ることを目指して、居住者や地域の方々と一緒に新しい広場空間の使い方を考える取り組みです。段階的な屋外共用部の改修とコミュニティ形成に資するイベントを実施してまいります。この取り組みにおいても周辺のまちや人がつながるためのリノベーションのコンセプトは「こわしすぎず、つくりすぎない」ことです。これからこの「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション となりのひろば」がスタートした堺市の泉北茶山台二丁団地と枚方市にある中宮第三団地の取り組みについてご紹介します。
熊谷
泉北茶山台二丁団地は地名の由来でもある茶畑を開発した丘陵地に建つ泉北ニュータウンの玄関口に当たる位置にあります。駅前は昔ながらの商店街やショッピングタウンなど昭和の面影も残しつつ新しい商業施設も集まる活気のあるまちです。

この泉北茶山台二丁団地は土地の起伏に沿って住棟が配置されており、その間には豊かな緑が広がります。また団地の近くには野鳥が多いことで知られる大蓮公園という大きな公園もあります。
熊谷
続いて共用部の特徴です。最寄りの泉北高速鉄道泉ケ丘駅から団地へ向かい入れるように広がる、広い広場空間や団地の中心部の高台に設計され敷地の高低差を活かした宙に浮かぶような特徴的な集会所もあります。

さらに敷地内にはかつて相撲で使われていた旧土俵を見ることができる非常に珍しい団地です。また泉北エリアではニュータウン開発工事に際に多くの窯跡が発掘された須恵器生産地であり、その窯跡も残されています。
熊谷
旧土俵については堺市南区周辺を中心とした地域情報誌「泉北コミュニティ」にも取り上げていただきました。実際に相撲が取られており土俵の周りをたくさんの人が囲んで観戦しています。
熊谷
そんな団地の特徴を生かしながら団地内の共用部を地域の方や居住者に上手に使っていただくために、「団地の広場を使ってみよう」というイベントを昨年12月に実施しました。

無印良品さんによる出張販売の実施やベンガラ染めと呼ばれる染物体験を行いました。 染物体験ではみなさんご自身の衣服を持ち寄り、ベンガラ染めという土の染料を使った自然由来の染色を行いました。今回は団地の旧土俵の土から取った染料も特別にご準備いただきました。
熊谷
無印良品さんの出張販売を行った屋台もベンガラ染めに挑戦し、アースカラーに染まりました。
熊谷
今回、イベントを実施した会場でもある団地の広場を今後どのような空間にしていくべきなのか検証するためのアンケートを作成し、イベントにお越しいただいた皆様に広場で楽しみたいことを投票いただきました。みなさん積極的にご回答いただき、今の団地の良いところやこれからのよりよい使い方を考えました。

現在のおすすめできることについては「自然・公園」と答えてくださった方が多数を占めています。私たちがMUJI×UR発足時に再発見していた自然豊かであれという団地の魅力を居住者の皆様にも同じように感じていただいていたことがわかりました。団地の未来に関する項目では「食・買い物」、「遊び・運動」を楽しみたい回答が目立ちました。