研究テーマ

世の中のフットカバーってどんなもの?

2 世の中のフットカバーってどんなもの?
様々な工夫がされている市販品

改良プロジェクトがスタートして間もなく、市販されているフットカバーにはどんな工夫がされているのか調べてみようということになり、私たちは売られているフットカバーをかき集め、担当者皆で毎日履いてみました。

どのフットカバーも見た目は良く似た形をしているのですが、その工夫は多種多様でした。全く脱げないものもあれば、脱げにくいけれど結局脱げてしまうものもありました。脱げなくてもアキレス腱辺りに履き口の跡がつき、しばらくすると痛くなるものも。

また、脱げるものと脱げないものが担当者によっても違うようです。

私たちが履いてみたフットカバーの一部をご紹介します。

  • 脱げなかったフットカバー

    履き口裏側に入っている太いゴムのためか、足にぴったりフィットして一度も脱げませんでした。
  • 足裏にホールのあるフットカバー

    脱げにくくしているようなのですが人によって効果はまちまちでした。

滑り止めつきフットカバー

踵に当たる履き口裏側に滑り止め用のゴムがついています。滑り止めのおかげでズレにくく脱げなかった担当者もいましたが、私は脱げてしまいました。

履き口部分が当たって痛くなったフットカバー

  • アキレス腱付近
  • 甲の部分

履き口が痛くならなかったフットカバー

  • 履き口部分が折り返し縫いになっていないので肌に当たっていても跡がつきにくく痛みも感じなかったフットカバー。

また、同じ靴を履いていてもフットカバーが靴から見えるものと、見えないものがありました。
市場では靴を履いたときに見えにくい浅履きタイプが人気でした。

浅履きのフットカバー

指全体が覆われてはいないので、靴を履いてもフットカバーは見えません。

深履きのフットカバー

指先はもちろん、甲の部分も少し覆われているタイプ。
靴を履くとフットカバーを履いているのは分かります。深履きのものは比較的脱げにくかったのですが靴からははっきりと見えてしまいます。「脱げにくいこと」と「靴から見えないこと」はトレードオフといえそうです。

  • 靴と同色のフットカバーだと見えても分かりずらい。
  • 靴の形によってはフットカバーの見え方が均等でないので結構目立ちます。

何日にもわたり、皆で履き比べをしてみましたが、ずり落ち防止の工夫がされているものでも人によって脱げたり脱げなかったり。みんなが脱げないフットカバーは見つかりませんでした。
また、脱げなくても締め付け感があるものは痛みがでて長時間履いていられず履き心地は良いとはいえませんでした。

いくつものフットカバーを履いていると、脱げる現象はおおよそ同じパターンであることが分かりました。生地が少しずつ下がってきたと思ったら、そこから一気に外れてあっという間に土踏まずの辺りまで移動します。

フットカバーが踵から脱げるときの様子について、靴の中の様子を再現してみました。
脱げたことのある方には共感していただけるかもしれません。

フットカバーが脱げる様子
(靴の中で脱げていく様子を分かりやすくするため、
ここでは靴を脱いだ状態で再現しています)

さて、今回私たちが改良するフットカバーは、2009年以降、無印良品の婦人フットカバーの中で最も売れ続けてきた「かかとが深くてつま先が浅い足なりフットカバー」(婦人)です。
このフットカバー、販売数No.1というだけあり、お客様や社内では他のものよりも脱げにくいという声が挙がっていました。

この商品は、踵を包み込むようにゴムを入れることで(下図赤枠部分)踵を固定し、踵からフットカバーがずり落ちるのを防いでいます。
履き口のゴムは細すぎるとアキレス腱付近の一ヶ所にだけに力がかかり痛くなってしまうのですが、幅広のゴムを使うことで痛みがでにくくなっています。

既に工夫しているのですが、まだ不満もあります。この商品よりももっと良い商品にするために何ができるだろう。

ここで、私たちにいくつかの疑問が浮かび上がりました。

  • そもそも、フットカバーを履いている人ってどれくらいいるの?
  • 私たちの不満はお客様と同じなの?
  • 脱げにくいフットカバーは他のお店でも販売しているけれど、みんな脱げやすいと感じているの?

どうやらフットカバーに関する基本的な調査が必要なようです。
私たちは一般の方々を対象にアンケートを行うことにしました。

次回は、インターネットを通じて行ったフットカバーのアンケート結果をご報告致します。