グループインタビュー
前回ご紹介したホームユーステストの結果、私たちが良いと考えるフットカバーとお客様が求めるものの間にギャップがある気がしていました。お客様が求めるものを知りみんなが良いと思えるフットカバーにするために座談会形式のグループインタビューを行いました。今回はその様子を紹介します。
ホームユーステストで実際にサンプルを履いてくださった方の中から18名の方に集まっていただきました。
私たちが直接質問したりお話を聞いたりすると、参加者の方はなかなか意見が言いづらくなってしまうので、司会と進行はプロの方にお願いしました。私たちはモニター越しにインタビューの様子を見せてもらいました。
- 実施日:
- 2013年12月21日(土)
- 参加者:
- 20、30、40歳代の女性、各年代6人ずつ
- 足のサイズ:
- 23~25cm
- 時間:
- 1グループ2時間
- インタビュー内容
- 1)フットカバーを履く理由
- 2)フットカバーを買うときに重視すること
- 3)フットカバーの不満点
- 4)試作品を試した感想
- 5)まとめ
- 1)フットカバーを履く理由を教えてください
-
・素足で靴を履きたくないため
・素足で仕事に行けないため
各年代共通して多かったのが、この2つでした。
実用的な理由ですね。
みなさんからの意見をまとめると、見た目を重視したファッション的な理由が多くみられました。
<ファッション的な理由>
・ストッキングの代わりに履いて素足に見せたいため
・靴との組み合わせを楽しみたいため。
<実用的な理由>
・人の家に上がるときに素足で行っても玄関でさっと履けるため
- 2)フットカバーを買うときに重視することは何ですか?
-
・脱げないこと
・服に合わせやすい色や靴から見えても良い色であること
・つま先から甲までの覆われている部分が浅くなっていること
脱げないことが最も重視する点として挙がりましたが、色や靴から見えないことという意見も多く見た目も重要であることがわかりました。みなさんからの意見を大きく分けると、
<着用したときの快適感>
・母指球が当たる部分が厚くなっていること
・つま先にクッションがついていること
・つま先が圧迫されないこと
・耐久性があること
・踵に滑り止めつきであること
・綿混素材であること
<見た目の良さ>
・靴から見せてコーディネートを楽しめること
・コーディネートのアクセントになること(差し色、花柄)
私たちは脱げにくいという着用時の快適感に着目して開発していましたが、脱げないことや痛くないこと以外に見た目も重視しているみたいです。
- 3)普段履いているフットカバーの不満点はどんなところですか?
参加してくださった皆様にその場でフットカバーを履いてもらいどんな時にどんな風になるところが不満なのか具体的に教えてもらいました。
不満点の中でもダントツに多かったのが、歩いているうちに脱げるということ。踵から脱げるという意見が多かったのですが、なかには横から脱げたり、小指から脱げたりするという人もいました。脱げるにもいろんなパターンがあるようです。
また、靴からフットカバーが見えてもいいのは5mmくらいまでで、踵から見えるのはイヤという意見も。踵のゴムがきつく赤くなっていたり、親指部分が突っ張って痛いという様子も実際に見せてもらいました。
<着用時の快適感の不満>脱げる・痛い
<見た目の不満>靴から見える
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- 靴からの見え方;5ミリくらいなら見えてもいい
みなさんの足を見せてもらうと、親指が長かったり、足幅が広かったり、外反母趾だったり、足の形が様々で、そのため人によって脱げ方や痛みがでる場所も違っていることが分かりました。
そして着用時の快適性はもちろん、やっぱり見た目の良さも重要なポイントになっているようです。
さて、いよいよ今回の試作品についての感想を聞いてみます。
踵の生地の裏側に滑りにくい糸を編み込んだ試作品の履き心地はどうだったのでしょうか。
参加してくださった皆さんには、どのような工夫をしたものかお知らせしていません。
どんな意見が出るのか、私たちもモニター越しにドキドキしていました。
- 4)今回の試作品を試してみていかがでしたか?
試作品:踵の裏生地に滑り止め効果のあるダウンストップを入れたもの
満足点
<着用時の快適感>
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・長く歩いても脱げないので、これなら1日中履いていてもストレスがないです
・踵から下がってきたけれど全部は脱げなかったから合格点かな
・脱げるまでの時間がいつも履いているものよりも長かったです
・脱げないことは期待していなくて、そこそこ脱げなくて洗濯に耐えられればリピートすると思う
・履くときに伸びるのに足に沿ってちゃんとピタッと密着する。フィット感がよくて脱げないのがいい
・履いたときの肌触りがよくて、締め付け感がない
・生地が伸びやすくて普段履いているものよりも痛みが出にくかった
・つま先にタックが入っていてゆとりがあるので、履き心地は良かったです
・つま先の先端に微妙に切り替えがあって濃くなっているので、つま先がカバーされている感じがあった
<見た目の良さ>
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・色がチャコールグレーだったので洋服と合わせやすかった
不満足点・要望
<着用時の快適感>
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・脱げにくいけど結局脱げちゃうので他のフットカバーと同じ
・つま先と脇のゴムに締め付け感があって、突っ張っている感じ。キツイから脱げないのかと思った。脱げないならキツイのは我慢できる
・踵のゴム部分が肌に当たって赤くなる
<見た目の良さ>
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・つま先が浅い方が好きで、これは靴から見えすぎる
・甲の部分の形状はV字だと靴から見えてしまうのでラウンドの方が手持ちの靴に合う
・つま先部分だけでなくこれは横も踵からも生地が見える
・つま先はきついけど、踵は余る
・歩いているうちに踵の足底部分が余る
<その他>
-
・踵と土踏まずの間の縫い目が気になる
・室内で履いていたらフローリングで滑った
・洗濯による耐久性がわからないから良いのか悪いのかなんともいえない
私たちが試作品を履いたときには気が付かなかった多くの意見がでました。
ホームユーステストでみなさんに履いていただいた2014年の販売品や一般的な形のフットカバーに比べると試作品は好評だったのですが、こんなに多くの不満が挙がるとは思っていなかったので、ショックです。
- 5)まとめ
多くの方が求めること、そして今の試作品に足りないところ。
参加いただいたみなさんの意見から課題が見えてきました。
今回の試作品は実用性からみると履き心地は良かったのですが、脱げないことと足の痛みという点ではもう一歩で、ファッション性からみると甲の部分からも踵の部分からも見えすぎる点が良い評価が得られなかった原因だと分かりました。
もう少し脱げにくく足の痛みがでないようにすることと、靴から見えにくい形に改良すること。この2つを両立するのは実はすごく難しいんです。ただ脱げにくく痛みがでないようにするだけなら、足をフットカバーでしっかり覆ってしまえばいいのですが、そうすると靴からはたくさん見えてしまいます。逆に靴から見えにくくすると、足を覆う部分が少なくなるので脱げやすくなってしまうのです。そして脱げにくくするためにきつくすると足に痛みがでてしまいます。
着用時の快適感と見た目の両立。多くの女性が求めていたのはこれだったのですね。私たちの新たな課題が見つかりました。
脱げにくく、痛みがなく、靴から見えないように。多くの女性に着用時の快適感と見た目の良さの両方を満足してもらえるようなフットカバーを目指して私たちは更なる改良を始めました。
グループインタビューでは、たくさんのご意見、ご要望をいただきました。
ご参加いただいた皆様、ご協力いただきありがとうございました。
次回は試行錯誤してようやく完成したフットカバーについてご報告します。
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1
- 2014年12月17日 開発のきっかけ
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2
- 2014年12月24日 世の中のフットカバーってどんなもの?
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3
- 2015年1月14日 知りたい! みんなのフットカバー事情
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4
- 2015年1月21日 試作品が出来ました
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5
- 2015年1月28日 グループインタビュー
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6
- 2015年2月4日 改良に改良を重ねた試作品ができました
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7
- 2015年2月11日 みんなで作ったフットカバー その出来はいかに?!
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8
- 2015年2月18日
開発秘話
靴下職人へインタビュー
- 2015年2月18日
開発秘話
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9
- 2015年2月25日 3月4日(水)いよいよデビュー
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10
- 2015年3月4日 商品発売のお知らせ