MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「MUJI×UR 10周年記念トークイベント『これまで』と『これから』」

※このレポートは、2023年3月4日に泉北茶山台二丁団地で行われたトークイベントの模様を採録しています。

豊田
ユニットシェルフもご活用いただいています。物をキレイにレイアウトされていますね。無印良品の物が多いですか?
綿岡
シェルフも照明もほとんど無印良品さんの物を使わせていただいています。
豊田
動物の雑貨も飾っていますね。こういったアイテムもたくさん飾れるスペースがあるんですね。
綿岡
そうですね。物が多いので必然的に上に置くことが多いのですが、小天井にはコンセントを設置していただいているのでそのあたりに本なども置いています。
豊田
もともとお住まいだったURさんの物件のときにはこのような飾り方はしなかったんですか?
綿岡
それまでは本棚に押し込めていました。ここに引っ越してから今までとは違うお部屋のレイアウトをやっています。
豊田
モデルルームには家具がありますが、その家具を取り払うと収納もかなり少ないですよね。何もないまっさらなお部屋を見てご入居される方は「自分が住めるのかな」と不安になるのではないかと思っていました。実際に住まわれる直前のお部屋をご覧になって感じたことはありますか?
綿岡
たしかに収納は以前の家より少なくて、もともと押し入れ部分も戸がなくなっているので引き出しを置くなどしています。でも引っ越しのタイミングで物をだいぶ処分したのでそこまで心配はしていませんでした。
長谷川
できるだけ襖や仕切りをなくしてのびやかに見えるようにしていますが、一方でそうすると収納の多さや量は反比例していきます。そこは悩みましたが、一度思い切ってすべて取っ払ってみようかということでこの形になったんですよね。
豊田
今までのお住まいで床暖房や浴室乾燥などの設備があったとのことですが、今の家はありませんよね。それによるメリットやデメリットなどはありますか?
綿岡
冬は床暖房を活用して薄着で一日中過ごせていたので、今の家に住んだ当初は寒さを感じて気になりました。でも浴室乾燥がなければ洗濯物も外に干せばいいですし、床暖房がなくても普通に暮らせるので、もう慣れましたね。
豊田
これが先ほどお話した麦わらパネルですね。質感などはどうですか?
綿岡
冷たさなどはないですね。夏場に裸足で歩いても気にならなくて、フローリングとは感触は違いますね。柔らかい感じです。
豊田
普通のフローリングを使うと、周りがレトロなのに床だけが新しい雰囲気になるので全体のバランスが非常に悪くなると感じていました。そのため床材にもこだわって空間に合うような素材を探すべく、当初は既製品で見つけようと思っていましたがいいものがありませんでした。そこでいろいろな素材を選んでいくうちに「これだったら合うのではないか」ということでチャレンジしました。実際に住んでいる方のご意見を聞くと嬉しいですね。

次に茶山台のお話もうかがいたいなと思います。実際に今日のようなイベントをご覧になっていかがですか?
綿岡
私が住んでいるリバーサイドしろきたではなかなかないイベントですね。野菜を売られていたりランドセルの革でリサイクル品を作るワークショップがあったりと、非常にいい取り組みだなと思います。

こういったことはどこでやっているのか私たちにはわからないので、もっと発信していただけたら近隣で興味があるイベントがあれば参加や見学したいなと思いました。
長谷川
全国的に「団地の屋外空間の使い方を模索していこう」という動きがあり、今回のイベントはその一環でMUJIさんにもお手伝いしていただいています。建設当時ほど活発ではないにせよ、今も広々としたスペースで何かしらの活動があるのでリバーサイドしろきたも団地としてその可能性は大いにあると思っています。たとえ大きくなくても小さなイベントを重ねていけば「団地の屋外空間ってこんなふうに使えるんだ」と皆さんと一緒に考えていくことができる。そして綿岡さんのようにご要望があれば有難いなと思います。
豊田
今後のMUJI×URへの期待はありますか?
綿岡
建物の外観にも工夫があってもいいのかなと思います。団地だとグレーや白が多いのですが、リノベーション物件がある棟は黄色に塗るとかベランダだけは緑に塗るとか、そういう工夫で若い方へのプロモーションや住んでいてもリノベーションされている部屋の存在を知らない方への認知にもつながるのかなと思いました。
長谷川
ありがとうございます。清潔感やキレイさにつながるのでどうしても昔の設計だと住宅の外観で白が多いです。しかし今は暮らしや人の趣味がどんどん多様化しているので、それを外観でも見せていくのは私自身もいいと思いました。外観にも魅力を出していく動きがプロモーションにもつながるという話はたしかに大事ですよね。
豊田
そういったご意見も取り入れていきたいと思います。それでは短い時間になりましたが綿岡さん、どうもありがとうございました。