


MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
高島平団地リノベーション完成 ここだけの話 2014
※このレポートは、2014年1月10日に東京エコッツェリアで行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています。
- 土谷
- そしてこちらが本日のゲスト、千里シェアルーム大使の、ホーリーとトミーさんです。

- 土谷
- 「団地のシェアルームに無印良品で暮らしています。」という住まいレポートブログを昨年の11月から開始しています。3人1組でシェアルームに住む人募集ということで、291組の応募がありました。大阪の団地のシェアルームに1年間、家賃無料で暮らしていただき、無印良品とURがリノベーションした部屋に住むということ、団地に住むということ、そして、シェアルームに3人で暮らすことを、無印良品のブログで発信して頂くという企画になっています。

- 土谷
- このプランをリノベーションしましょうという課題が与えられたときに、どういった暮らし方がいいかなということをいろいろと考えました。
部屋が3つあったので、3人で暮らせるんじゃないか、シェアルームという暮らし方も面白いということで実現しました。
ルームA、ルームB、ルームC。こちらに、それぞれ1人ずつ寝室があって、日当たりの良い場所を共用部のリビングとして使うため、キッチンを移動しました。
そしてお風呂ですが、浴槽をなくしてシャワーにしました。どうしても、浴室はコンクリートで囲われてしまっているので、お風呂場を大きくすることは難しかったんです。そこで、狭いお風呂よりは、広いシャワールームという暮らし方もあるんじゃないかなということで、提案してみました。

ホーリー
- ホーリー
- これはルームAの写真です。入居して最初に撮った写真です。唯一、北側になって日当たりが一番悪いよと噂をされた部屋ですけれど、実際、昼になるとカーテンが真っ白に飛ぶくらいに陽が入ってきます。
そして壁一面に押入れがあって、この空間をどうしようかと思い、机を入れようかなということも考えたんですが、この押入れ全部使って収納にしてしまおうと考えました。
押入の反対側にベッドがあるんですが、本当にベッドを置いても非常に広くて、快適に暮らすことができています。
あとは、突っ張り棒を押入れの中に入れています。これは、クローゼットがある生活を今までしていたものですから、ハンガーで服を吊りたいなと思いました。

トミー
- トミー
- こちらはルームBです。他の部屋と違って、もともと押入れがありませんでした。棚が無くて、壁一面の小天井が上にあるだけなので、木製のシェルフを入れて、棚を使って部屋をつくっています。ルームBと左下のルームCが南側で日当たりがとてもいいので、そのあたりも何か、これから活用していけたらいいなと思っています。
- 土谷
- ということで、彼らが実験台となって1年間住み続け、その住み続けているところをブログで毎回書いています。入居してから2ヶ月ごとに、部屋をローテーションしているんだよね。
- トミー
- はい、つい先日、ローテーションしまして、その様子を、今日公開のレポートに書いていますので、ぜひ、ご覧になってみてください。
- 土谷
- 部屋によって住み心地は違う?
- トミー
- そうですね、全然違います。
- ホーリー
- 僕は北側から南側に、陽が入るルームBに移ったんですけれども、やっぱり、この時期は陽が入ると暖かいなと。日差しを受けられるところにソファーを置いたりして、日差しを存分に楽しんでいます。
かといってルームAが悪かったわけではなくて、僕が非常に日光に弱いので、朝日が昇るといったん目が覚めてしまうんですけども、ルームBは眩しくて2度寝ができなくて、顔にタオルを掛ける様な状況になってます。

- ホーリー
- これが今、共有で使っているキッチンになります。正面に出ているのは、全部、無印良品さんの食器や調理器具です。
1番下の段のトタンBOXに個人の物を入れて、間違いが起こらないようにしてます。
冷蔵庫は、この大きさで3人で共用していまして、中を開けると、ちょうど上から1、2、3段と野菜室となっていまして、1人1段使って、場所を分けています。野菜室は、「僕が、これを買ってきたよ」と、一応言っておいて、使うときには「使っていい?」とか、「使っちゃったので足しておいたよ!」と、お互いに声をかけるようにしています。
- 土谷
- 料理は3人で一緒にしないの?
- ホーリー
- 朝と昼は、みんな生活スタイルがバラバラなので、特に一緒につくることはないんですが、晩ご飯は、食べたい時間がだいたい同じなのでキッチンで会って一緒につくろうかとなっています。あらかじめ、皆で買物に行って、今日は鍋にしようみたいなこともやります。
とにかく、今は、お金が無いのでできるだけ買って来て食べるというよりは、自炊して安く、みんなでたくさんつくって美味しく食べようという生活です。
最初は、男3人だから、そんなにはしないだろうと思われていたんですが、自炊してるって無印良品とURの方に言ったら、とても感心して頂いたので、これからも自炊でいきたいと思います。
ただ、キッチンに関して、縦にコンロが並んでるんですけれども、これが、鍋を1個置くと、奥がちょっと使いづらくなるんです。かなり無理をしてフライパンと大鍋を置いてるんですが、完全に密着してしまっていて、火も、ちょっと漏れてるんで危ないなと。今は、例えばパスタをゆでて、電子レンジで具だけ温めて、熱々のパスタにかけて食べる、といった使い方をしています。

- ホーリー
- これはリビングの写真です。これは先ほど説明があった「麻畳」の上にコタツが1個あるのと、後は奥にTV用の棚が1つ、これだけが置いてあります。
最初に説明を受けたときに、「誰かが突然見に来るかもよ」という話をされていたので、誰がいつ来てもいいように片付けてはいます。実際、人が来たら、今ですと、コタツの布団の中に隠したりとか(笑)そういうことで耐えています。
あとは壁と床が真っ白なので、髪の毛が落ちると一発でわかってしまうんですね。もう汚れてきたということがわかってしまうので、2日に1回くらいは掃除機をかけています。ズボラでいたくてもできないような、“汚れてるよ”って部屋が言ってくるので、結構、綺麗に保てているかなと思います。

- ホーリー
- このシャワールームは、男2人で入っても大丈夫なくらいの広さがあって、さらに上のシャワーヘッドは、とても大きい物を用意していただいています。これは、本来、今までの普通の大きさのものを設置されるはずだったのを、豊田さんが“これじゃ寒いよ”って言ってくださって、大きい物に交換してくださいました。シャワーのヘッドが、この施設の中で一番高価かもしれないらしいです。
上のシャワーをひねって回しておくと、全身にお湯をかぶることができます。あと、下にある小さいシャワーが、取り外して回したりできるので、それを使ってシャワールームに入ったときに壁にお湯をかけて部屋を温めたりとか、あるいは掃除するときにも使っています。2つとも個性があって、使いやすいようにできていて、上手く使い分けできてるかなと思います。 - ホーリー
この壁の向こうがルームAになってまして、トイレの音が漏れるかもという話で、ここの壁だけ断熱、防音の素材を入れていただいてます。本来であれば、全面にベニヤが貼られる予定だったものを、あえて上だけ残して防臭効果とかも高めていただきました。実際にルームAにいても、扉を閉める音とトイレを流す音ぐらいしか聞こえてこないです。- 土谷
- こういう実験的な企画に、たくさんの人が応募してくれました。ここでの暮らしをふまえて、次のプロジェクトにつなげていきたいところです。同時に、千里青山台団地で、無印良品は部屋のリノベーションだけじゃなくて、「そもそも、この団地に暮らすというのはどういうことなのか」ということを考え、団地のイベントを一緒に行っています。
彼らは、そういう団地のイベントにも一緒に参加して、餅つきをやったりしています。団地って高齢化がすすんでいて、若い人達が少なくなってきてるんで、どういうコミュニティがつくれるかっていうことに、一緒に参加してくれています。 - トミー
今、写真に出ているのが、千里青山台団地の餅つき大会に参加させていただいたときの写真です。また、僕達のシェアルームがある新千里西町団地でも餅つき大会があって、参加させていただきました。新千里西町団地や他の団地でも、どんどんイベント参加していこうと思っています。