研究テーマ

第2回眠りについてのアンケート結果報告

3 第2回眠りについてのアンケート結果報告

2011年8月10日(水)~8月19日(金)に実施いたしました第2回「眠り」についてのアンケート、3,124名の皆様から回答が寄せられました。

今回の眠りのアンケートでは、眠りの状態と生活習慣、目覚めの状態と生活習慣などの関係を探ってみました。特に眠りのためには、眠ることだけでなく、起きている時の生活習慣が大事なことがわかってきました。すべての生活習慣に対してもう一度眠りとの関係を意識していくことが大事と言えるかもしれません。
今回のアンケートは、オムロンヘルスケア(株)様 とのコラボレーションにより実施いたしました。
(文中にNPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメントをいれています。)

[1]寝付きと生活習慣

就床時刻

64%の人が24時以降に眠っています。
前回の調査69%より減っているのは節電の影響でしょうか?

N=3124

就床時刻×寝つき

就床時刻が遅くなると(特に1時以降で)寝つきが悪い割合が増加しています。
眠気のタイミングを逃している可能性があることが伺えます。

N=3124

お風呂(湯船につかる)

ほぼ毎日湯船につかる方は、約4割でした。ほぼ毎日湯船につかる人の方が、「なかなか寝付けない」割合が少なくなっています。

なかなか寝付けない

NPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメント 私たちの身体の体温(※深部体温と呼ばれる、身体の中心の温度を指します)は、1日のうちにプラスマイナス約1度の範囲で上下しています。体温のリズムにメリハリがない場合にも、体温がだらだらと下がると寝つきが悪くなったり、朝体温がしっかり上がらないと気分よく起きることができず、良質な睡眠をとることができません。 夕方以降徐々に体温が下がり始めているのですが、就寝前にぬるめの温度の湯船にゆっくりつかって身体を温めると、副交感神経が優位になり精神的なリラックスが得られるだけでなく、その後の体温の降下がスムーズになり、睡眠に入る準備ができて、寝つきやすくなります。

[2]目覚めと生活習慣

すっきり目覚め×よく眠れる

ほぼ毎日すっきり起きられる人は、ほとんどの人がほぼ毎日よく眠れると答えています。すっきり起きられるかどうかは、眠りの状態に大きく影響を受けていることがうかがえるデータです。

就床時刻とすっきり起きられる

就床時刻が遅くなると、すっきり目覚められる割合も減っています。
これは、「体内時計のずれ」と「睡眠時間が短くなっていること」の両方の要因が考えられます。

夕食時間×すっきり起きられる

夕食時刻が遅くなると、すっきり目覚められる割合も減っています。
夕食時刻が遅くなると、就床時刻も遅くなり、睡眠不足になることが影響しているかもしれません。

朝食時間×すっきり起きられる

朝食時刻が遅くなると、すっきり起きられる割合が減っています。

寝室に朝の光が入るか×すっきり起きられる

寝室に朝の光が入る方のほうが、すっきり目覚められる割合が高くなっています。遮光カーテンは夜の光を遮るのにはよいですが、朝起きる時の光を遮ってしまいます。朝起きにくい方は、朝光が入る工夫をされてはいかがでしょうか?

寝室に朝の光は入りますか?

[3]昼間の眠気について

昼間の眠気

午後13時・14時頃の眠気を感じる方が半数以上になっています。これは、体のしくみ上、感じる眠気の時間帯です。

午前中に眠気を感じる場合や一日眠い場合は、睡眠不足かもしれません。

昼間眠気を感じる頻度

眠気を感じる時間帯

NPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメント 眠気のリズムは、12時間ごとの自然のリズムによっています。
午後の2時~4時頃に一つのピークがあるのです。そこで、昼間の眠気とうまくつき合うための方法として、短時間の仮眠が推奨されています。 推奨されているのは、13時くらいから15時くらいまでの時間帯の20分程度です。
長い仮眠をとってしまうと、深いノンレム睡眠に入ったところから目覚めなければならないので、すっきりするどころか逆効果になってしまい、夜の睡眠にも影響が出てしまいます。
深い睡眠に入る前にすっきりと目覚めることが、仮眠後すぐに元気に活動するコツです。

[4]平日と休日の起床時刻の違いについて

起床時刻

平日はほとんどの人が7時までに起床しています。
土日(休みの日)は起床時刻が遅くなる傾向があります。
平日の睡眠不足を補っているのかもしれません。

NPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメント 週末の起床時刻が平日より遅くなる場合、生体リズムを乱さないようなるべく2時間以内にとどめるようにしましょう。
現在、週末に寝だめをしている場合は、少しずつ時間差を短くしてゆくようにし、睡眠不足を補う場合は、一旦起きてから午後の早い時間帯の昼寝をとるようにする方がよいでしょう。

[5]最後のまとめ

冒頭に書いたように、昼間の生活習慣がいくつも重なって、眠りの質に左右していると言えるようです。眠りについて考える時、どうしても眠るための工夫を考えがちですが、今回の結果を見るとあきらかに昼間の規則正しい生活をすることが何よりも大事です。さらに目覚めについても考えてみるのもいいでしょう。よく眠れる人は目覚めもいいのですが、逆に目覚めのいい人はよく眠れてもいます。言ってみると目覚めの時からすでに眠りの環境への準備は始まっているとも言えます。よい眠りを得ようと思ったら、起きていることに目を向けること、今回の結果から言えそうです。
また昼寝についても、多くの方がお昼過ぎに眠気を感じているようですが、これも自然な人間の生理現象のようです。昼間の寝過ぎはよくないようですが、ほんの少しの昼寝は脳を休め、そのあとの集中力をたかめることにもつながるといわれています。よい眠りのための昼間の行動、もう一度考え直してみるのにも今回のデータを参考にしてみてください。

[6]自由回答より

目覚めの工夫

  • 23時に寝るようにしている 早寝を心がけている

    (女性・50代前半)
  • 90分区切りでの睡眠時間になるように気をつけている。レム睡眠とノンレム睡眠の関係でスッキリ起きられると聞くので。

    (女性・40代後半)
  • iPhoneのアプリSleep_cycleを利用

    (女性・40代後半)
  • カーテン、窓を全開にする

    (女性・30代前半)
  • カーテンをしめないで朝日が部屋にはいるようにする

    (男性・60歳以上)
  • たくさんの目覚ましをつかう!パソコンのソフト携帯スマホ時計

    (男性・20歳未満)
  • 気合です。

    (女性・40代前半)
  • 起床したい時間よりも30分以上前に鳴り、スヌーズ機能で起きるまで鳴り続けるようにセットしている。また、目覚まし時計をすぐ手元ではなく、手を伸ばさないと届かない位置に置いている。

    (男性・20代後半)
  • 携帯のアラームはバイブ機能も同時にセットし、枕元もしくは枕の下に入れて振動で目が覚めるようにしています。

    (女性・30代後半)
  • 前日に早くねる。タイマーで朝クーラーをつける。

    (女性・20代後半)
  • 枕もとに 冷たいお水を用意していて 起きたとき飲む。

    (女性・50代後半)

寝る前の行動習慣

  • 軽いストレッチをして熟睡できるように心がけています。

    (女性・40代前半)
  • 11時ごろから照明を暗くし、テレビなどは消して、リラックスする音楽を聞く

    (女性・40代前半)
  • アロマディフューザーのスイッチを入れ、眠くなるまで本を読む。

    (女性・30代後半)
  • お風呂から出た後、ほてりがさめるまでガウンを着て、のんびり本を読んだり音楽を聴いていると、すぐ眠たくなります

    (女性・50代後半)
  • ストレッチと足裏のマッサージをする

    (女性・40代前半)
  • テレビを見ながら寝る。照明は夕食後から電球色で暗めにしている。

    (女性・30代後半)
  • パソコンを早めに切り上げます。脳が刺激されることは極力やらないようにしています。ぼーっとする時間をもうけています。

    (女性・20代後半)
  • 音楽を聴きながらタイマーをかけて寝る

    (女性・20代前半)
  • 間接照明にする。ストレッチをする。なるべく携帯電話やパソコン、TVをみない。

    (女性・30代後半)
  • 軽くストレッチをする。ベッドに入ってからは、照明を暗くして、オフタイマーをかけてお気に入りのDVDを見ながら眠る。

    (女性・40代後半)
  • 照明はすべて消す。カーテンも厚手のもので、部屋は暗くする。音楽等はかけず、静かな状態にする。

    (女性・40代前半)
  • 寝る部屋は電球色の電灯。軽くストレッチなどをする事もある。ラジオ、CDをタイマーセットでかける事もある。

    (女性・30代前半)
  • 夕食後から照明は暗めにして読書や勉強などで必要な場所ではピンポイントのライトを使用する

    (女性・40代後半)
  • 冷たい水を飲む

    (女性・50代前半)

[補足資料]

第2回眠りについてのアンケート結果一覧(PDF:500KB)