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「入浴×ねむり」実験室モニター結果報告

8 「入浴×ねむり」実験室モニター結果報告

ねむりを改善する実験の第2弾は入浴の仕方です。
「暑い夏に、わざわざお湯に入る必要なんかあるの?」「夏バテで疲れ気味だし、入浴はさっさと済ませて寝たい!」と考えて、シャワーを浴びるだけで済ませる人も多いのではないでしょうか。でもそれは「良いねむり」を得る上で、もしかするとマイナスになっているかもしれません。
今回の実験では、「シャワー浴」で済ませている人たちが湯船に浸かることによって、どんなねむり効果が得られるのかをくらしの良品研究所とオムロンヘルスケア株式会社 ねむりラボと共同で行いました。

『入浴とねむりに関する共同実験』概要

  • [調査期間]
  • 2013年7月16日(火)~8月5日(月)
  • 期間①:7月16日(火)~7月22日(月)は、従来のスタイルで就寝
  • 期間②:7月23日(火)~8月5日(月)は、寝る30分~1時間前に湯船につかる(入浴剤使用、半身浴でも可)
  • [調査対象]
  • 24名(20~50代の男女)
  • [選定基準]
  • 夏場の冷房で冷えを感じることがあり、夏は基本シャワー浴の方で、寝つき等に悩みをお持ちの方
  • 「ねむり体内時計」アプリを使える環境をお持ちであること、
  • 就寝時に一人であることを基本条件として、全国の応募者より選定。
  • [調査内容]
  • 実験開始前後でアンケートに回答
  • 期間中、オムロンねむり時間計 HSL-001で睡眠を測定
  • 期間②で就寝前に、バスソルトを入れた湯船にゆっくり浸かってから就寝
  • ※バスソルト(夏みかん ミルク)

[1]「寝付き」と「寝起き」がともに改善

  • グラフ① 寝付きにかかった時間

  • グラフ② 起床にかかった時間

24人の寝付き時間の平均値を調べたところ、23分→19分と4分短縮(グラフ①)。
目覚めてから起床するまでの平均時間も、11分→9分と2分短縮しました(グラフ②)。
ちなみに目覚ましのスヌーズ回数も、2.8回→1.9回に減少。
湯船に浸かる入浴は、寝つきや寝起きに良い影響があることがわかりました。

[2]「眠りの満足度」が大幅アップ

グラフ③ 「眠りの満足度」を百点満点で表すと…

グラフ④ 1週間のうちよく眠れる日は何日ありますか?

数字に現れる変化の一方、実感レベルでも嬉しい変化が。
眠りの満足度を100点満点で採点してもらったところ、湯船に入らないときの平均値が61.7点だったのに対し、湯船に入った場合は73.9点に大幅アップ(グラフ③)。
「一週間のうち、よく眠れる日は何日?」というアンケートでも、「4~5日」と答えた人が二倍に増え、「1日以下」だった人は6人も減りました(グラフ④)。

[3]「日中の眠気」撃退効果もアリ

グラフ⑤ 湯船に浸かる入浴で、疲れは取れましたか?

グラフ⑥ 1週間のうち、昼間に眠気を感じる日は何日ありましたか?

睡眠時間だけでなく、起きている間の体調にも良い変化が見られました。
「湯船につかることで疲れが取れた」と感じた人は、なんと合計92%(グラフ⑤)。
「一週間のうち、日中に眠気を感じたのは何日?」という問いに対して、シャワー浴のときは「ほぼ毎日」だった人が、9人から1人に激減。また、「日中はほとんど眠くならない」と答えた人は、ゼロから7人になりました(グラフ⑥)。

「ぐっすり眠れて、すっきり目覚めて、日中もパッチリ目覚めていられる……。
湯船に入る効果は、思ったよりずっと大きい!」という感想を持たれた方が多かったようです。

[4]フリーコメント

  • 「『疲れ』を理由に入浴を朝に回してしまうこともあったのですが、やはり夜に済ませたほうがよく眠れ、なおかつ疲れが取れる、と実感しました」
    「夜中に目を覚ます回数が減った気がする」
    「ぬるめのお湯に、意識的に長めの時間をかけてつかると、よりリラックスできる」
    「一日の疲れをゆっくりとってから入床することで、質の良い睡眠が取れる気がしました」

  • 仕事などでピリピリしていた気持ちが少し落ち着いたような気がする。1時間ゆっくりお風呂に入っても、シャワーを慌てて済ませた時より時間がないと感じることはあまりなかった。無駄にしていた時間を入浴に当てたように感じる。入浴後はボディケアをしようという気持ちになれて、いつもよりゆっくり時間をかけてケアが出来たと思う。

  • ゆっくり入浴することで,体も心もふっくらした気分に浸れる。実際には,この季節入浴することで暑さを感じてビールを飲んだりと,睡眠にはプラスではない行動もあったかと思うが,何よりもバタバタとした一連の活動の中で入浴するのではなく,一日の終わりにゆったりした時間を持つことはとても貴重だと感じた。いつもの夏はなかなか湯船につかることはなかったけれど,今年はこれからも湯船につかろうと実感した。

  • からだのリズムが整う感じが分かる・・・と云うか 調子が良くなったと思えました。一日の疲れはその日のうちに解消する事は、とても大切だと感じました。冷えもあまり気にならなくなり、良い体調管理をさせて貰ったと思います。

  • 寝つきに変化は感じられなかったが起きた時のだるさが軽減されたと思う。

[5]まとめ

シャワー浴で済まされる方が多い夏場の実験でしたが、就寝前にゆっくりバスタブに浸かる入浴が良い睡眠に繋がる可能性が高いことがわかりました。モニターの方々のフリーコメントには、湯船に浸かる効果の大きさを発見した喜びにあふれているものも多く、うれしい限りです。ねむり実験室はさらに続きます。最後に、睡眠改善インストラクターの鍛治恵さんからコメントをいただきましたので、ご報告いたします。

NPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメント 深部体温(体の中心部の温度)がスムーズに下がることが、入眠をスムーズに促す大きなポイントです。ところが夏は気温が高いので、体の表面から温度が下がりにくい傾向があります。また、昼間冷房の中で過ごして体が冷えてしまうのも、体の内側に熱がこもって眠りを妨げる原因に。そんなときは、きちんと湯船につかっていったん体温を上げると、そのあと下がりやすくなります。湯船で深部体温をしっかり上げるには、38~40℃の湯温で「全身浴」または「半身浴」を行うのがコツです。副交感神経が優位になり、快眠にはプラスになります。その辺りが相まってよい睡眠につながり、結果、疲労回復の感覚へとつながったと思われます。好みの香りの入浴剤などを使うことで、さらによい効果があるでしょう。

今回の実験にご協力いただきましたモニターの皆様、本当にありがとうございました。

なお、この結果はオムロンヘルスケア(株)のWEBサイト、「ねむりラボ ぐっすリズム実験室」でも掲載いたします。
[関連リンク]
ねむりラボ > ぐっすリズム実験室 > 「夏はシャワーだけ」の人、必見!「湯船に浸かってしっかり入浴」のねむり効果