研究テーマ

「アロマ×ねむり」実験室モニター結果報告

5 「アロマ×ねむり」実験室モニター結果報告

快眠のために重要だといわれている「寝る前の過ごし方」の1つ、香(アロマ)を活用したリラックスの効果について、寝つきに悩む20代~50代の男女30名を対象に「寝る前のアロマディフィーザ利用×眠り」という実験を、くらしの良品研究所とオムロンヘルスケア株式会社 ねむりラボと共同で行いました。
その結果、寝つきまでの時間短縮や、よく眠れるようになったと感じる方が7割になるという改善がみられましたのでご報告いたします。

『寝る前のアロマと眠りに関する共同実験』概要

  • [調査期間]
  • 2013年1月23日(水)~2月17日(日)
  • 期間①:1月25日(金)~1月31日(木)は、従来のスタイルで就寝
  • 期間②:2013年2月1日(金)~2月14日(木)は、寝る前にアロマディフィーザー利用
  • [調査対象]
  • 30名(20~30代の男女)
  • [選定基準]
  • 今までにアロマディフィーザーを使ったことがないこと、
  • 寝つき等に悩みをお持ちの方、睡眠障害などの疾病を患っていないこと、
  • 「ねむり体内時計」アプリを使える環境をお持ちであること、
  • 就寝時に一人であることを基本条件として、全国の応募者より選定。
  • [調査内容]
  • 実験開始前後でアンケートに回答
  • 期間中、オムロンねむり時間計 HSL-001で睡眠を測定
  • 期間②で就寝前に、アロマディフィーザーを利用して就寝
  • ※ブレンドエッセンシャルオイル・リラックス
  • (ラベンダー、スウィートオレンジ、ゼラニウム、ホーウッドのブレンドオイル)

2.1 アロマディフューザーを使用する前と使用時の睡眠指標の変化

寝つき時間が平均7分短縮

アロマディフューザー使用状態の違いによる平均寝つき時間

アロマディフューザー使用での睡眠指標改善者の割合

N=23

ねむり時間計で計測したデータからは、寝つきまでの平均時間がアロマ未使用時26分⇒アロマ使用時19分と約7分の短縮が見られました。
データ収集ができた23名中16名(約70%)の方に寝つき時間の短縮傾向が見られ、うち6名の方は10分以上の短縮が認められました。

2.2 アロマディフューザーを使用する前と使用後のアンケート結果の変化

「よく眠れている頻度が多くなった」人が増加

よく眠れる頻度

ユーザ実感「よく眠れるようになった」

N=26

週当たりの寝付けない頻度が減少傾向が見られ、26人中19人(73%)の方が寝つきがスムーズになったと感じています。

「寝付けない頻度が減った」人が増加

寝付けない頻度

ユーザ実感「寝つきがスムーズになった」

N=26

使用前と比べて週あたりの良くねむれる頻度に増加傾向が見られ、26人中19人(73%)の方が良く眠れるようになったと感じています。
寝つきが少し改善され睡眠時間が確保できたことで結果として日中の眠けが軽減されたと考えられます。

「日中に眠けを感じる頻度が減った」人が増加

日中に眠けを感じる頻度

ユーザ実感「日中の眠けが改善」

N=26

週あたりの日中の眠けを感じる頻度が減少傾向が見られ、半数の方が日中の眠けが改善されたと感じています。寝つきが少し改善され睡眠時間が確保できたことで結果として日中の眠けが軽減されたと考えられます。

「睡眠時間が足りないと感じる頻度が減った」人が増加

睡眠時間が足りない頻度

使用前と比べて、週あたりの睡眠時間が足りないと感じる頻度に減少傾向が見られます。寝つきがスムーズになったことで睡眠時間が増えたことがプラスに作用していると考えられます。

フリーコメント抜粋

  • 使用前は昼間の眠気が毎日ありましたが、アロマ使用で寝るようになってから昼間に眠くなるという事がなくなったのでビックリしています。

  • 心地よい香りがこんなにも眠りをスムーズにしてくれるとは思っていませんでした。好みの香りでリラックスでき「無」の状態で眠りに吸い込まれていきました。スチームも良かったのか肌の調子も良く、柔らかくなった気がします。これからも使い続けたいと思います。

  • 香りによって、睡眠時間の変化はありませんでしたが、睡眠の質は変わったように思います。寝る前から使用することで、部屋に香りが漂い、スムーズに眠りにつくことが出来たと感じています。

  • たいへんよい香りが短時間でひろがって、いい気分で眠りにつくことができた。

  • 合いそうな香りのユーカリを勝手ながら購入し使用しました。アロマディフューザーの使用前より、眠りがよくなったように感じます。使用時の吹き出しとモータ音が気になったものの、ディフューザーによる湿気と香りのおかげでよく眠れたのかな、と。眠る前から使用し始め(入浴後~布団に入るまで1時間程)眠るときに2時間タイマーにして就寝。使用4日目くらいから、部屋に香りが廻る頃に、パブロフの犬状態で眠くなる感じ。習慣にすると、自動的に香りを感じると眠くなるので良いかなと。アロマに今まで興味なかったのですが、香りも色々あるので、自分に合った香りを探して試して行きたいです。

  • 使う前より寝付きが早くなった気がします。呼吸をするとリラックスできるので良かったです。

  • 精油の香りが好みだったので、使うのには問題ありませんでした。少し放して、ライトはオフにして使いました。感覚でしかないのですが、少しは寝付きやすくなったかな、と実感しています。

  • 音は静かで気にならず、良い香りです。深く眠れているようで、朝起き上がるのがかなり楽になってきました。使い続けたいと思っています。

  • 香りがとても良いので、リラックス効果は高かったと思います。加湿効果もあるようで、乾燥対策にもなっていたと思います。この時期、喉の乾きで目が覚めることが多いのですが、期間中はよく眠れたように思います。

  • 眠る前にアロマディフューザーを点けて、オイルの香りをかぐとリラックスできて、自然と眠くなるようになった。また、自分の部屋の香りもオイルの香りになって、より部屋の居心地がよくなった。これから香りにもっとこだわってみようと思った。

[4]まとめ

今回の実験では多くの方に、香りによるリラックスが眠りに深いかかわりがあることを体験していただきました。もちろん個人差はございますが予想以上の結果がでました。「眠り」の分野はまだまだ奥深く、より一層の研究が必要です。
最後に、睡眠改善インストラクターの鍛治恵さんからコメントをいただきましたので、ご報告いたします。

NPO睡眠文化研究会 鍛治恵さんからのコメント よりよい眠りのためには、就寝に向けて脳や体の準備が必要です。徐々にリラックスできる環境で過ごすことで、交感神経から副交感神経優位の状況にします。覚醒してしまうような刺激がかからない寝室環境をつくるうえで、香りを上手に活用することはとても有効といえましょう。
香りの好みは個人差がありますので、自分の好きな、リラックスできる香りを、就寝前に寝室に準備し徐々に眠りへとモードチェンジすることがよりよい入眠儀式となります。

今回の実験にご協力いただきましたモニターの皆様、本当にありがとうございました。

なお、この結果はオムロンヘルスケア(株)のWEBサイト、「ねむりラボ ぐっすリズム実験室」でも掲載いたします。
[関連リンク] ねむりラボ