「疲れにくい」「歩きやすい」ってどんなこと?
開発コンセプトは決めました。しかし「疲れにくい」「歩きやすい」とは一体どんなことなのでしょうか?
スニーカーに限りませんが、自分が毎日履く靴にも「疲れやすい靴」と「疲れにくい靴」、「歩きやすい靴」と「歩きにくい靴」があることに気づかされます。実は生活の中で日々感じているのですが、感覚的なことなので、どうして疲れやすいと感じるのかうまく言葉で説明が出来ません。
何がどのようになった時に私たちは「疲れにくい」「歩きやすい」と感じるのか? その原因を探るため以下の2点について文献やインターネットで情報を集め、さらに自分たちの経験を踏まえながら議論してみることにしました。
- 1)歩くとなぜ疲れるのか?
- 「疲れた~」と感じているときに、私たちの体(足)や歩き方はどんなふうになっているのか?
- 2)「歩きやすい」という感覚はどんな感覚を言っているのか?
- 歩きやすいと感じるときに、何がそう感じさせるのか?
歩くとなぜ疲れるの?
歩きやすいとはどんな感覚?
このように疲れと歩きやすさは非常に密接に関係しているということがわかりました。
また「歩きやすい靴」は「疲れにくい靴」だといえそうです。さらに言えば「歩きやすい靴」は、スムーズで安定的な歩行が行なえて、その結果、足の筋肉への負担が少なく、疲れにくいということになりそうです。
「疲れ」と「歩きやすさ」を考えることで、なぜ体がそう感じるのか、だんだんわかってきました。でもどうしたら「歩きやすく疲れにくい靴」になるのでしょうか?
具体的には足の筋肉への負担が少ないスニーカーを設計するにはどうしたらいいのでしょうか?
市場にはウォーキングシューズのような、歩くためだけの靴もあります。またスポーツメーカーでは、特定のスポーツに特化した専用シューズを販売しています。
確かに機能性に優れたこれらの靴は、「歩きやすく疲れにくい靴」と言えるのだと思いますが、今回開発したいのは、普段の生活の中で履いてもらえるような、用途を選ばないスニーカーです。
これはなかなかハードルが高そうです。だんだん私たちだけでは手に負えない気がしてきました。
そのため、外部で靴や歩行を研究している研究者の方にアドバイスをいただけないかと、研究者の方を探し始めました。しかし、スポーツシューズはまだしも、普段に履くスニーカーの「歩きやすさ」や「疲れにくさ」を研究している研究者の方はなかなかいません。
いろいろ調べると島根県の松江工業高等専門学校に歩行の研究をしている先生がいらっしゃることが分かりました。少しでも何か開発のヒントになるようなアドバイスをいただけないかと、その先生を訪ねてお話をうかがうことにしました。
次回は、その内容をご報告します。
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1
- 2012年11月7日 「疲れにくい」「歩きやすい」ってどんなこと?
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2
- 2012年11月14日 松江工業高等専門学校との共同研究
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3
- 2012年11月21日 現行品の3ヶ月使用モニタリング評価
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4
- 2012年11月28日 インソール・アウトソールの改良
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5
- 2012年12月5日 試作品が出来ました
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6
- 2012年12月12日 松江高専での歩行評価①
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7
- 2012年12月19日 松江高専での歩行評価②
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8
- 2012年12月26日 歩行安定性評価
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9
- 2013年1月16日 生産工場のお話
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10
- 2013年1月23日 第2回歩行評価 ─MUJI銀座松坂屋─
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11
- 2013年1月30日 松江工業高等専門学校 齋藤先生インタビュー
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12
- 2013年2月6日 とうとう出来上がりました
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13
- 2015年5月6日 番外編 コットンスニーカーの有用性を論文として発表しました