現行品の3ヶ月使用モニタリング評価
松江工業高等専門学校(以下松江高専)との共同研究をスタートするにあたり、「疲れにくさ」や「歩きやすさ」のために、何をどのように改良していくかを決める必要があります。
まずは、現在販売している紳士の「綿スニーカー」と婦人の「綿洗いざらしスニーカー」が「疲れにくさ」や「歩きやすさ」という観点からどのレベルにあるのか、モニタリングをして評価をすることからはじめることにしました。松江高専の生徒さんにご協力いただいて、男性には「綿スニーカー」を、女性には「綿洗いざらしスニーカー」を週に4日以上、3ヶ月間使用していただき、
- ○足の形状測定による基礎データの収集
- ○アンケートによる使用状況と履いているときにどのように感じたかの主観評価
- ○3ヶ月間の使用の間にスニーカーがどのように変化するのか、写真・現物による確認
を実施することにしました。
- 調査期間
- 3ヶ月間
- 調査内容
- ○1ヶ月ごとに計3回の主観評価のアンケート
- ○1ヶ月ごとに計3回の靴の写真撮影・現物確認
- ○足の形状測定(1回)
- 使用条件
- ○週に4日以上使用
- ○指定のソックスを着用の上、スニーカーを着用
- モニター数
- 男性18名・女性21名
現行品のスニーカー
- 紳士:綿スニーカー
- 婦人:綿洗いざらしスニーカー
写真は3ヶ月間履いたあとのスニーカーです。
履いた時間の個人差や、歩き方のくせも反映されていますが、見た目はイメージしていたよりもだいぶくたびれていてちょっとショック・・・。しかし週4日3ヶ月間履いたスニーカーとしては、キレイに履いていただいたといえる外観だそうで、一般的にはもっとハードに使う方もいらっしゃるのだそうです。
3ヵ月後のスニーカー
紳士
- 本底の裏面
- 本底のかかと部
婦人
- 本底の裏面
- 本底のかかと部
モニタリング後のスニーカーの現物と主観評価の結果を見ながら、現在販売しているスニーカーの課題と、改良ポイントについて話し合いました。評価が概ね良かった点はできるだけそのままにし、反対に評価が良くなかった点や、足に違和感を感じたという回答があった点に対して、スニーカーのどの部位をどのように改良したら良くなるのか、齋藤先生にご意見いただきながら検討を重ねました。
- 製造を担当されるメーカーと弊社関係者が集まり松江工業高等専門学校で打ち合わせ
- 使用後のスニーカーを見て改良方法を検討中の開発責任者
図1 足裏
図2 横アーチ
図3 靴の各部名称
現行品の3ヶ月間使用モニタリングで、さまざまな課題や改良の具体的なヒントを得ることが出来ました。(ご協力いただきました松江高専のみなさんありがとうございました。)この結果を参考に新しい「定番スニーカー」とするべく、改良品の設計をはじめます。
次回はインソールとアウトソールの改良についてのレポートです。
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1
- 2012年11月7日 「疲れにくい」「歩きやすい」ってどんなこと?
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2
- 2012年11月14日 松江工業高等専門学校との共同研究
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3
- 2012年11月21日 現行品の3ヶ月使用モニタリング評価
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4
- 2012年11月28日 インソール・アウトソールの改良
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5
- 2012年12月5日 試作品が出来ました
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6
- 2012年12月12日 松江高専での歩行評価①
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7
- 2012年12月19日 松江高専での歩行評価②
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8
- 2012年12月26日 歩行安定性評価
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9
- 2013年1月16日 生産工場のお話
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10
- 2013年1月23日 第2回歩行評価 ─MUJI銀座松坂屋─
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11
- 2013年1月30日 松江工業高等専門学校 齋藤先生インタビュー
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12
- 2013年2月6日 とうとう出来上がりました
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13
- 2015年5月6日 番外編 コットンスニーカーの有用性を論文として発表しました