とうとう出来上がりました
定番スニーカーの改良プロジェクトの連載も今回が最終回になりました。
たくさんの皆さんのご協力をいただき、ついに2013年2月7日(木)に店頭販売がスタートします。
※ネットストアでは2月8日(金)発売
最終的に出来上がった商品を紹介するとともに、買っていただく際のスニーカーの試し履きとサイズ選びのポイントについてご紹介いたします。
新:スニーカー仕様
商品名 | コットンスニーカー (紳士用) |
コットンスニーカー (婦人用) |
フラットスニーカー (婦人用) |
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写真 | |||
サイズ | 25.5~29.0 (0.5刻み) |
22.0~25.0 (0.5刻み) |
22.0~26.0 (0.5刻み) |
色 | 黒・オフ白・カーキ・紺・赤 | 黒・オフ白・カーキ・紺・赤 | 黒・オフ白・サックス・イエロー・ピンク・グリーン・ドット(青×白)・ストライプ(青×白) |
取扱店舗数 | 337店舗(日本国内) | 337店舗(日本国内) | 337店舗(日本国内) |
別売パーツ | インソール 靴紐 |
インソール 靴紐 |
靴紐 |
改良ポイント: 1.インソール
- 1.コットンスニーカーもカップインソールにしました。
- 2.「歩きやすさ」「疲れにくさ」を実現するための形状にしました。
- ○土踏まず部分(縦アーチ)と指の付け根部分(横アーチ)をインソールがサポートし、あおり歩行※を誘導する設計にしたことで「歩きやすく」「疲れにくい」を実感できるインソールになりました。
※あおり歩行・・・理想的な歩行の重心移動
インソール
改良ポイント: 2.アウトソール
- コットンスニーカー(紳士用・婦人用)
- 1.インソールの機能を最大限に活かし、あおり歩行※をサポートする形状になりました。
- ○重心移動をスムーズに行なうための外側の意匠(デザイン)にしました。
- ○内側の形状を歩行時の足の動きを考慮し、曲がりやすい波型の形状にすることで、足の動きを妨げにくくしました。
- 2.耐久性にも配慮した材質に変更しました。
- フラットスニーカー(婦人用)
- 1.特徴であるやわらかい履き心地を損なわず、アウトソールの擦り減りを軽減する意匠(デザイン)にしました。
- 2.耐久性にも配慮した材質に変更しました。
- コットンスニーカー
- フラットスニーカー
スニーカー選びのポイント
コットンスニーカー&フラットスニーカーの上手な選び方
今回開発したコットンスニーカーとフラットスニーカーは、インソールの各所に凹凸があることが大きな特徴です。この凹凸が足裏に正しくフィットするように、足に合ったサイズを選ぶことが「歩きやすさ」や「疲れにくさ」を実感していただくためにはとても重要です。
(サイズが合っていないと痛みの原因になる可能性があります)
では足に合ったサイズのスニーカーを選ぶためのポイントをいくつが紹介します。
ポイント1.出来るだけ店頭で試し履きを
まずはできるだけ店頭での試着をオススメします。
普段ご自身が履いている靴のサイズにとらわれず、自分の足に合っていると感じたサイズを選んでいただくと、よりこの靴のよさを感じていただくことが出来ると思います。
ポイント2.試着は午後、出来れば夕方に!
人の足は、朝と夕方では大きさが変化します。
特に午後から夕方にかけてはむくみなどの影響によってどうしても足が大きくなります。
朝の足が小さい状態で試着して靴を買ったら、夕方になったらきつい! なんてこともありますので、足が大きくなった午後をねらってぜひ試着してみてください。
ポイント3.正しい履き方で試着をしてください
①まずはお気に入りのソックスで試着を
まずは普段スニーカーに合わせて履いている靴下を持ってきていただき、履いた状態で試着していただくのがお勧めです。
ソックスには汗を吸収するだけでなく、よりスニーカーと足をフィットさせてくれる役割もあります。
もちろん、無印良品の足なり直角靴下に合わせていただけば、さらに快適な履き心地や歩きやすさが実感できると思います。
②かかとを合わせていざ試着
靴を試着をするときには、かかとを合わせて履きましょう。
このスニーカーのインソールにはかかとの中心部分に◎の凸部が設けてあります。この◎がかかとの真ん中にくるように足を入れ、ヒールカウンターとかかとの間に隙間ができないように履いてみてください。
かかとを何度かトントンしてみるといいですよ。
インソールのかかとにある◎の部分
- ◎良い履き方
(かかとに隙間がない) - ×悪い履き方
(かかとに隙間が出来ている)
③ひもをしめる
かかとが合った状態で、つま先から足首の方向に向かって、足の甲がスニーカーにフィットするようにしっかりひもをしめます。このときにかかとを浮かせてみてズレがないことを確認してください。
- 紐を締めています
- かかとが浮いていないことを確認しましょう
④インソールの凹凸が自分の足にフィットしているか確認しましょう
このスニーカーの最大の特徴はインソールの凹凸です。
インソールの土踏まずの部分と親指以外の4本の指の付け根部分に凸部を、親指の付け根に凹みを設けています。この凹凸が自分の足に合っているか、確認してください。
インソールがやや硬めなので最初は少し違和感があるかもしれませんが、ある程度履いていくと足に馴染んできます。
※あまりに痛すぎる場合は、サイズが合っていない可能性がありますので試着を中止してください。
インソールに足を合わせた状態
(中の様子が分かるように靴を脱いで撮影しています)
⑤つま先とサイズの確認
かかとをあわせてしっかり紐をしめた状態で、つま先の確認をします。
1cm程度の余裕があり、靴の中で足の指が自由に動かせるサイズが適正なサイズです。
もし親指や小指の付け根の横がアッパー部分に当たりすぎて圧迫感があったり、痛かったりする場合は、横幅が合っていないので購入はお勧めできません。
- 足指が赤い線くらいまできているのが理想です
- 親指や小指の付け根が当たりすぎないことを確認します
このスニーカーにはインソールに凹凸がありますので、普段ご自身がはいている靴のサイズと違う可能性があります。またスニーカーの形によっても若干履いた感じに違いがあるかもしれません。普段の靴のサイズにとらわれず、実際に上記のポイントに注意しながら試着をしてみて、自分にあったサイズを選んでください。
きっと違いを実感することができると思います。
約1年半の歳月をかけて改良した新しいスニーカーをようやく発売する運びとなりました。
全12回のこの連載を読んでくださった皆様、ありがとうございます。
どんなスニーカーにするかを決めるところから始まり、私達プロジェクトメンバーも何ヶ月も試作品のスニーカーを履いてみて試行錯誤しながらようやく完成しました。
「履いてみて、お客様に違いを実感していただける商品にしたい」というのが、プロジェクト当初からの目標でした。そのために人の感覚を数値化し、比較するという新しい試みにもチャレンジして、たくさんの方々にご協力をいただきました。できる限り丁寧に検証して、自信を持って「違いが実感できる」商品になったと思っています。
またこのくらしの良品研究所のホームページを通じて、このスニーカーはこうやってできたんだ、と少しでも多くの方に興味を持っていただけましたらとても嬉しいです。そして是非、店頭で試し履きをしてみてください。
女性の方はデザインの異なる2種類のスニーカーを開発しましたので、自分のスタイルや履くシーンに合わせて選んでいただけたらと思います。
最後に、共同研究者である松江工業高等専門学校の齋藤誠二先生をはじめ、モニターにご協力いただきました学生の皆さん、店舗スタッフの皆さん、ご協力ありがとうございました。
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1
- 2012年11月7日 「疲れにくい」「歩きやすい」ってどんなこと?
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2
- 2012年11月14日 松江工業高等専門学校との共同研究
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3
- 2012年11月21日 現行品の3ヶ月使用モニタリング評価
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4
- 2012年11月28日 インソール・アウトソールの改良
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5
- 2012年12月5日 試作品が出来ました
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6
- 2012年12月12日 松江高専での歩行評価①
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7
- 2012年12月19日 松江高専での歩行評価②
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8
- 2012年12月26日 歩行安定性評価
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9
- 2013年1月16日 生産工場のお話
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10
- 2013年1月23日 第2回歩行評価 ─MUJI銀座松坂屋─
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11
- 2013年1月30日 松江工業高等専門学校 齋藤先生インタビュー
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12
- 2013年2月6日 とうとう出来上がりました
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13
- 2015年5月6日 番外編 コットンスニーカーの有用性を論文として発表しました