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「本和香糖」ができるまで
[2011.11.25 更新]

Café & Meal MUJI で一年を通して人気の「本和香糖の焼きプリン」(350円)は、少し固めで昔なつかしい素朴な味。「本和香糖」のほんのりした甘さと卵の味が、人気の理由です。

ところで、この「本和香糖」はどんなお砂糖なのかご存知ですか?
そもそも砂糖はどのようにして作られているのでしょうか。「本和香糖」は「含蜜糖(がんみつとう)」の分類に入りますが、「精製糖」と「含蜜糖」の違いは?

そこで、「本和香糖」を作られている和田製糖株式会社の皆様と、砂糖問屋の株式会社竹内商店様に、砂糖の作り方や本和香糖の特徴を教えていただきました。

「精製糖(分蜜糖)」と「含蜜糖」
普段、ご家庭で使われることが多い「上白糖」「グラニュー糖」「三温糖」は「精製糖」といわれる「分蜜糖(ぶんみつとう)」。

「精製糖(分蜜糖)」は、さとうきびや甜菜から作られる原料糖の不純物を徹底的に取り除き、純粋な甘味であるショ糖分のみを結晶化させたものです。

これに対して含蜜糖である「本和香糖」は、原料糖に含まれる不純物を濾過して取り除き、それを濃縮して粉化させているので、原料糖が本来持っているミネラル分や風味、コクが残ります。この残ったミネラル分が本和香糖のやわらかい味の特徴なのです。
同じ含蜜糖でも「黒砂糖」や「和三盆糖」は、それぞれ違う作り方で出来上がります。

原料糖って何?


原料糖の山:何だか蟻になったような気分!

その名のとおり、砂糖の原料になる「原料糖」は、タイやオーストラリア、ブラジルといった産地で簡単に精製されたもの。それぞれの産地によって原料糖の色が違います。それは野菜が産地によって違う出来になるのと同じで、さとうきびも育った土壌によって出来上がりが違います。
でも、これらの原料糖は無色透明になるまで徹底的に精製されるので、色が違っていても出来上がりに違いはないのです。


左:沖縄産の原料糖
右:タイ産の原料糖

「本和香糖」の原料糖である沖縄産はというと…片隅に、ほんの少しあるだけ。収穫できる時期も収穫できる量も決まっているので、いつも大量にあるわけではないのだそう。沖縄産の原料糖は海外産のものに比べると白っぽく、できあがった「本和香糖」とほぼ同じ色でした。

精製糖(分蜜糖)の作り方
精製糖ができあがるまでの3つの工程

工場内へと原料糖が運び込まれると、まず「洗糖工程」という不純物を取り除くために高濃度の糖蜜をいれて洗う工程に入ります。(水で洗うと原料糖が溶けてしまうので、これ以上砂糖が溶けない、濃度を高くした糖蜜で洗うのだそうです。)これで表面の汚れは落ちましたが、結晶の中にはまだ不純物が残っているので、今度はお湯を入れて結晶の中の不純物を溶かし出します。この不純物は炭酸カルシウムを使って吸着させ取り除き、濾過を繰り返して最終的にイオンレベルの不純物や臭いまで取り除きます。
この工程が「清浄工程」です。
ここまでが準備段階。いよいよ、ここから砂糖の結晶ができる「結晶工程」です。
すでに不純物を取り除かれた原料糖は、この時点で無色透明の精製糖液になっています。
この液体を一旦煮詰めて濃度をあげた濃縮液とし、ここに粉砂糖を加えます。この粉砂糖を核とし、熱を加えて攪拌すると結晶ができていきます。結晶が一定の同じ大きさになったところで、分離機で蜜分と結晶とを分けます。ここで蜜分と分けることから、上白糖やグラニュー糖、三温糖は「分蜜糖」と云われています。

ここで「三温糖」も精製糖なの?と疑問を持たれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
実は「三温糖」の茶色はミネラル分を含んだ色ではなく、カラメルなのです。結晶とわけた蜜分には、まだ糖分がたくさん残っています。これを繰り返し攪拌し結晶化する際、何回も熱を加えることでカラメルになり、茶色い砂糖になるのだそう。「三温糖」は精製されていないから茶色で体にいい、と思っていたのでこれにはびっくりしました。

その他、「上白糖」「グラニュー糖」「氷砂糖」「ざらめ」はそれぞれ結晶の大きさが違ったり仕上げが少し違ったりするもので、すべて同じ精製糖(分蜜糖)なのです。

本和香糖の作り方
では「本和香糖」の作り方はというと、沖縄産の原料糖を一度溶かして特殊フィルターで濾過します。この時点から作り方が違うのです。精製糖では徹底的に取り除かれる不純物の中にミネラル分が含まれており、このミネラル分がこの不純物が本和香糖のコクのある甘さの元となっているので、精製糖のように「洗浄」はせずに「濾過」という方法をとっています。数回にわけて濾過、ふるいにかけた糖液は濃縮して冷却し、粉状にします。粉状とは言え、精製糖と同じような粒となっていますが、精製糖のように一定の大きさではなく多少大きさに差があるようです。また、濾過して粉化するため、どんな原料糖を使っても無色透明になる精製糖とは違い、原料糖の色の違いで製品にも違いが出ます。


本和香糖

本和香糖の原料は沖縄産のさとうきび。沖縄の土壌は石灰質のためカルシウムが多く、このため「風味のある砂糖」といわれることも多いのです。

Café & Meal MUJI ではプリンだけでなく、デザート、料理にも本和香糖を使っています。ただ、本和香糖は少し茶色くコクのある味なので、きれいな色を出すためにはグラニュー糖のほうが良い場合もあり、できあがりの見た目や味によって使い分けています。

「本和香糖の焼きプリン」以外に本和香糖の特徴がよくわかるのが「森林ノ牧場の牛乳と本和香糖のソフトクリーム」です。低温殺菌牛乳と本和香糖で甘味をおさえてコクのある、それでいてさっぱりとした後味に仕上がっています。牛乳との相性の良い「本和香糖」を使って、ぜひご家庭でもプリンやケーキを作ってみてください。
※本和香糖(300g)の取扱いは、店舗によって異なります。
お近くのCafé & Meal MUJI までお問い合わせください。

「森林ノ牧場の牛乳と本和香糖のソフトクリーム」350円
販売店舗:Meal MUJI有楽町、Café & Meal MUJI 南青山
Café & Meal MUJI 青葉台東急スクエア

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