職住近接の住まい方を実現する場所
高島平団地
東京メトロ丸ノ内線、東西線、千代田線、半蔵門線、都営地下鉄三田線が通る大手町駅まで約30分という、都心へのアクセス抜群なこのエリアに約40年前現れた街が、今回ご紹介する高島平団地です。
理想の暮らしの象徴、高層棟が建ち並ぶ団地
高島平団地は昭和40年代につくられた、建設当時は東洋一と言われたマンモス団地。8,287戸のUR賃貸住宅と1,883戸の分譲住宅を合わせて高島平団地と呼ばれています。
かつては水田、湿原が広がっていた広大な地が、大規模な区画整理事業により、わずか数年で新しい街に生まれ変わり、団地だけで3万人、宅地分譲や周辺住宅を合わせると4万人を超える人たちが高島平に移り住みました。
また、10階を越す高層住宅が林立しているのも高島平団地の特徴の一つです。高層棟(11~14階)が38棟、中層棟(5階)が26棟と、一つのエリアに密集して建てられた高島平団地は、都心に近いという立地条件から、当時の時代では最先端を行く場所として、入居応募が殺到するほど、当時の憧れの暮らしの象徴となっていました。
高島平駅に近い方の2丁目エリアにはおよそ30近い高層棟が林立しています。新高島平駅に近い隣の3丁目にも高層・中層の団地が続いています。そして西高島平駅に近い4丁目、5丁目あたりは戸建ての新興住宅街も並んでいます。警察署や郵便局、病院や学校なども隣の区画に綺麗に収まっています。どの用事を済ませるにも、自転車で10分圏内に全てが収まっているコンパクトな街です。
場所は東京板橋区、都営三田線で大手町駅から約30分、池袋や新宿までは30分程度でアクセスできます。高島平団地は高島平駅、新高島平駅、西台駅の3駅にまたがっています。団地が拡張すると同時に駅が敷設されていきました。
多くの家族に愛され親しまれ、その歴史と共に成長してきた街は、暮らしやすさがいっぱい。団地内には商店街が6つ、大型スーパーが2店舗、さらに専門店が並ぶショッピングエリアも充実。自然も豊かで、特に団地内を通るケヤキ並木は、道行く人もその光景を見上げるほど見事な眺めです。
また、団地内には保育園が6つ、公園・広場等の遊び場も豊富で徒歩圏内に動物とふれあえる場所もあり、子育ての環境としても抜群です。
高島平駅を出て歩道橋を越えると、団地の顔といっても過言ではない壱番街商店街のコンコースが目に飛び込んできます。2013年11月、このコンコースは新しく生まれ変わり、まさに高島平団地の「顔」となりました。
歩道橋を抜けると、ピーコックストアや東武ストアなどのショッピングエリア。ドラッグストアや八百屋、本屋などもあって多くの方で賑わっています。 威勢の良い店員さんの呼び込みに引き寄せられるように軒先に並ぶ野菜を手に取るお母さんたち、その近くの緑地や公園で走り回る子どもたちの様子からも高島平団地の日常が垣間見えます。
商店街を抜けて中に入ると、高層の団地がにょきにょきと立ち並んでいます。30棟近く連なっているその姿は圧巻の一言。
通称「お山の広場」と呼ばれるこの公園の周りには中央商店街があり、こちらも昔からおなじみの肉屋、八百屋、お惣菜店は毎日、威勢の良い声が飛び交います。
時間や日によっては割引などもあり、物価の安い高島平でさらに求めやすい値段に、沢山の人でにぎわい活気があります。
中央商店街を通り過ぎ横断歩道を渡ると、高島平図書館が。子ども用のスペースもある高島平図書館はいつも様々な年齢層の方が利用され活気にあふれています。
その隣には、JA東京直営の「ファーマーズショップにりんそう」があり、ここでは板橋区練馬区産の野菜・果物・花などが並んでいます。生産者の顔が見える安全な野菜で並んで買われる方もいらっしゃいます。
団地の外にも生活を豊かにする場所がいくつも。
団地を出て少し歩くと、首都高5号線に沿って東西に長く伸びている“都立赤塚公園”があります。
遊歩道や運動施設、バーベキュー広場などがあり、日頃はウォーキングやお散歩の方々が大勢います。自然がたっぷり残されている赤塚公園は地元の人々の憩いの場です。
春はお花見でたくさんの人出の赤塚公園。夏は軽く丘陵になっているバーベキュー広場が大変賑わっています。そしてこの時期、秋は銀杏並木が公園を黄色く染め、地面にもびっしり銀杏のじゅうたんが敷き詰められていました。
当時の技術を結集して造られた高層棟
高島平団地の特徴といえば、なんといっても高層棟が整列している様子。それまでは、団地といえば5階建ての中層棟がメインでしたが、建設当時のノウハウと技術的な積み重ねが高島平団地に結集し、11~14階の高層団地が生まれることになりました。
団地に整然と並ぶポストからも、この団地に住む人の暮らしぶりが見えてきます。
エレベーターは混雑を防止するため、ステップ式になっています。奇数階に住む方、偶数階に住む方で乗るエレベーターが分かれているのが特徴です。
廊下の開放廊下に設置されたフェンスはデザインとしても美しく、団地の様子がより精悍なものになっています。
リノベーション住戸について
片廊下型の住戸は、現在まで続く集合住宅の典型の型式です。間口よりも奥行を深くとることで、多くの住戸を南向きに配置することができています。
もともとの間取りは、バルコニー側にダイニングキッチンがあり、共用廊下側とバルコニー側に2つ部屋があります。共用廊下側の部屋は独立しているので、落ち着いた寝室としてそのまま活かすこともありそうです。
また、現代の暮らしを考えるとダイニングキッチンの横にリビングを設けて広く使うことも考えられます。高島平の利便性から、夫婦2人で共働きの暮らしも考えられ、家事動線の短縮を考えることで快適な暮らしができるかもしれません。
リノベーションをすることで、古い住戸を新しい価値で住戸を見直して、現代の暮らしに合わせて考えていきたいと思います。