名古屋から自転車圏内にあるグローバルな街
豊成団地
名古屋駅の南西に位置する「ささしまライブ」駅一帯で、平成29年10月に「まちびらき宣言」が行われました。かつて国鉄と運河がつくりだした物流拠点として名古屋の舞台裏を支えた街が今、国際歓迎・交流拠点という表の存在へと発展しようとしているのです。今回は、そんな今後の展開が期待される街にある豊成団地をご紹介します。
物流拠点から国際的な交流拠点へ
「名古屋駅」から名古屋臨海高速鉄道あおなみ線「ささしまライブ駅」まで電車で約1分。「名古屋駅」はもちろんのこと中心地である栄や伏見まで自転車圏内のため、クロスバイクを愛用する人の姿が多く見られる街です。この駅の南側に、平成19年から始動している大規模再開発エリア「ささしまライブ24」が広がっています。
旧国鉄笹島貨物駅跡地の約12.4ヘクタールと中川運河船だまり周辺を含むこの地区は、名古屋の舞台裏を支える物流拠点でした。時代の流れとともに物流の方法は変化しつつありますが、今でも味のある工場や倉庫が点在しています。街の歴史を受け継ぐように運河沿いの空き倉庫をレストランやショップとして活用しながら、今度はこの街を国際的な交流拠点として発展させようという取り組みが今実施されており、注目を集めています。
都会らしさと昔ながらの穏やかさ
「ささしまライブ駅」周辺は開発が進み、大手のオフィスビルや商業ビルが連なる都会的な街並みが広がっています。駅周辺には、日本及び東南アジアで展開されているライブハウス「Zepp Nagoya」や、新たに誘致された愛知大学のキャンパス、公園と併設された中京テレビのオフィスビル、映画館の入った複合施設「マーケットスクエアささしま」、そして雑貨店・家具屋・飲食店から託児所・ランニングジム・ヨガスタジオ・クリニックや薬局まで約50もの多彩な店舗が入る大型複合施設「グローバルゲート」が新設されるなど、目覚ましい発展を遂げています。
圧倒されるような都会的な光景が駅周辺に広がりますが、歩みを進め名古屋高速道路の高架下をくぐる頃には、倉庫が入り混じる昔ながらの穏やかな街並みが現れます。駅から歩いて約9分、近鉄「米野駅」で下車した場合は徒歩約10分のところにある団地が、今回ご紹介する豊成団地です。周囲には背の高い建物がほとんどないため、11階や14階建ての住棟群が地域のランドマーク的な存在となっています。
隣接する学び舎と自然溢れる遊び場
豊成団地は昭和52年から入居がスタートしました。住戸数は1,178戸。団地から名古屋駅方面に向かうには最寄りの「ささしまライブ駅」ももちろん便利ですが、団地の目の前から出ているバスで乗車約15分という近さのため、バスまたは自転車を愛用する住民が多いそうです。
団地は、愛知小学校をコの字型で囲むように5つの住棟と広々とした緑の空間が連なって構成されています。中央には「ぼうけん公園」があり、野球やサッカー、追いかけっこをして遊ぶ子どもたちの姿が見られます。敷地内にはジャングルジム・ブランコ・滑り台といった一般的な遊具から、他ではあまり見ないターザンロープや、起伏のある人工の森林に設けられた緑道など自然と融合した遊び場まであります。
子どもにも親にも、安心で便利な環境
豊成保育園や学童保育所、さらに塾も立地。また、小学校では平日の放課後や土曜日にトワイライトスクール(放課後学級)を行い、保育園では「リフレッシュ預かり保育事業」も実施されています。団地のなかに、小児科内科・歯科・耳鼻科・皮膚科の診療所も勢ぞろい。子どもだけでなく親にとっても、安心で喜ばしい仕組みが設けられています。
隣接してスーパーマーケット「平和堂」・ドラッグストア・銀行があり、日常に必要なものは徒歩圏内に整っています。カーシェアリングも導入されているので、家族みんなでドライブという休日の過ごし方も気軽にできそうです。
団地内にはテニスコートがあり、入居者は予約をすれば無料で使用できます。街の雰囲気を反映するように住民の国際色も豊かで、名古屋中心地のIT会社や近隣の工場に勤めるブラジルや東南アジアの人々と擦れ違うこともあります。そのため集会所では一般的な交流サロンの開催だけでなく、子どもを対象とした日本語教室も開かれています。
リノベーション住戸について
今回、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトが手掛けた間取りはMUJI×UR plan42です。上下階が室内の階段でつながった4DKのメゾネット型の間取りを改修。壁をなるべく取り払うことで、住む人が自由にアレンジできる開放的な2LDKへとリノベーションしました。また階段上の部屋にMUJIの半透明ふすまを多く用いることで、光を通しながら視線を通さない快適なプライベート空間を生み出しています。
今まさに開発中のエリアにあり、名古屋の中心地にもアクセスが良く、家賃も周辺物件と比較するとお手頃の設定のお部屋が数多く揃っています。民間のデザイン会社とコラボレーションしたお部屋や、カーテンで間を仕切る「間shikiru」というお部屋もあり、バリエーションも豊富。平成30年度から外壁や共有部分の大々的な改修工事を行う予定もあり、街も団地も、今後の展開に目が離せません。