MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト リレートーク vol.4
品川八潮パークタウン団地ハイキング

※このレポートは、2014年11月30日に都内で開催されました、「品川八潮パークタウン団地ハイキング」の様子を採録しています。

門脇
計画・設計の概要ですが、

東京都港湾局が開発した大井埠頭その1埋立地の住宅用地を、一団地の住宅施設により、都住宅局、都住宅供給公社、公団等が共同で開発した団地である(UR説明資料より)

門脇
配置図を見ると分かりますが、一つの街区ごとに担当の会社が分かれています。そして街区ごとに住棟が様々な方向を向いているのが分かると思いますが、向きを調整することで、中庭、つまりコミュニティのスペースを生みだし、大きな団地の中にもヒューマンスケールのまとまりを作ることが意図されています。

高密度であるが、高層住棟のみの単調さを避けた中層住棟との混合配置が採用されており、外からの変化に富んだスカイライン、内でのヒューマンスケール感という景観重視の住棟配置がなされた。


当時、高密度な住戸を実現する必要がありました。それを高層住棟のみで構成すると単調なものになってしまうので、中層住棟を混ぜていく、そうすると、空を切り取るスカイラインに変化が与えられます。さらに、高層住棟だけを作るのではなく、中層住棟の人間的なスケールを混ぜていくことで、圧迫感を解消しています。そして注意して見ていただきたいのは、車用の道路と歩行用の道路が分かれているということ。車用の道路には高層住棟を、歩行用の道路には中層住棟を配置しています。そうすることで安全も確保され、且つ昔ながらの街並みが感じられる仕掛けになっています。 さらに、周辺に高速道路などのインフラがあるのも特徴です。高速道路は騒音が問題になりますが、配置図をご覧いただくとわかるように、高層住棟を高速道路沿いに配置しています。これは内側に騒音を伝えないようにする工夫です。さらにバッファとして高速道路と団地の間に緑道も設置されています。

複数事業者が開発する中で調和を生むため、外壁色彩や、中層住棟の勾配屋根などの統一が図られた。敷地の高低差を利用した歩車の分離や、北側の清掃工場の廃熱を利用した地域暖房・給湯方式なども採用されている。


品川八潮パークタウンでは、複数社が開発していたためデザインがばらつかないように、あらかじめ色を統一するルールを作りました。さらにデザインルールとして勾配屋根をかけるという仕組みも作りました。おそらく勾配の角度も統一されているはずです。そしてもう一つの特徴が、地域暖房給湯方式。これは先進的な試みでした。品川八潮の北側には清掃工場がありまして、ここでゴミを燃やす過程でできる余った熱を使って、給湯や暖房ができる仕組みを各住戸に設けています。これにより各住戸の光熱費が安くなるのですね。丸の内や西新宿のようなオフィス街でも同じような方式が採用されています。

団地にはいるとヒューマンスケールな光景が見えますが、実際は高層住棟で密度を確保して景観的なうるささ(音や景色)を排除しています。そのあたりの状況は実際に歩いて体感するとよく分かると思います。
野村
品川八潮パークタウンを担当しているUR野村です。今日見ていただく3団地(潮路北第二ハイツ、潮路中央ハイツ、潮路南第一ハイツ)についてお話します。
野村
今日見ていただくのは潮路南第一ハイツです。
潮道北第二ハイツ:最も古い団地。3LDKの広めの部屋が多い住棟です。唯一4LDKの部屋があり、人気となっています。また、この団地のみ中層住宅が存在します。階段室型の住棟が3棟建っています。
潮路中央ハイツ:昭和60年から管理開始。312戸。こちらは小型住宅からなっていて、1DK、1LDKの単身サイズのみで、人気が高いです。
潮路南第一ハイツ:昭和59年から管理開始。3DKが中心。中層住棟がなく全て高層住棟です。1LDK〜3DK。MUJI×URリノベーションプロジェクトの部屋もこちらの住棟にあります。

交通アクセスについてご説明します。東京モノレール大井競馬場前は潮路南第一ハイツが近く、徒歩8分ほどです。さらに羽田空港までのアクセスも抜群です。そして意外にもバス便が豊富で、品川駅・大井町駅・大森駅から出ています。また、りんかい線品川シーサイド駅から潮路北第二ハイツまで徒歩10分と、新宿方面にダイレクトアクセスできて便利です。
車も、湾岸方面に大井南インターがあるので、東北・房総方面へもアクセスしやすいです。さらにターミナル駅の品川駅は、将来的にはリニア中央新幹線の駅も出来上がるということで、交通としては便利な場所だということがお分かりいただけると思います。
野村
団地の特徴としては、緑が多く、運河の景観が素晴らしいです。また、子育て環境、施設も充実しています。保育園・幼稚園、小中一貫校もあります。さらに、パークタウン中心部にはスーパー・ホームセンター・100円ショプ・レストランなどの施設もあるので、生活するのには本当に便利です。また医療施設も揃っていますので、万一の時にも安心です。行政の施設も充実しており、区役所出張所、郵便局、図書館などもあります。

今日ご覧いただくタイプの部屋をご紹介します。カスタマイズ住宅は、壁を一面自由にいじることのできる企画住宅です。もう一つの部屋はセンスアップ住宅。和室が2つ並ぶタイプだった部屋の、一部屋をフローリングに、もう一部屋をセンスアップしデザインに気を使ったものになっています。
土谷
ありがとうございます。では品川八潮パークタウンに移動しましょう。


この後2班に分かれて、団地の中を散策しました。

散策の最中に見学した部屋は3つ。
センスアップ住戸 潮路南1LDK-Cタイプ(39m²)

カスタマイズUR住戸 潮路南2LDK-G1タイプ(65m²)
“フリーウォール”があり、好みの柄の壁紙を貼ったり、棚を取り付けたりと、自由にカスタマイズが可能。



和室のセンスアップ住戸 潮路南3DK-I1タイプ(65m²)
半畳を互い違いに敷いて“市松模様”を演出したモダンな和室にリニューアル。

最後にこれから発売されるMUJI×URのリノベーション部屋を紹介。
MUJI×UR
中央にアイランドキッチン。