MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「港南台かもめ団地MUJI×UR団地まるごとリノベーションについて」
パネリスト:
髙橋 健一氏
UR都市機構。現在入社3年目の25歳。神奈川県の団地の住戸内の改修内容の検討や「MUJI×UR」関係の業務を担当している。趣味はカフェ巡り。
見通 真次氏
株式会社MUJI HOUSE。団地の住まいレポーターを経てMUJIHOUSEへ入社。現在はUR花見川団地の商店街に住みながら、新たな暮らし方を模索中。趣味はDIY。
松本 雄作氏
株式会社MUJI HOUSE。「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」の設計担当。団地好きが高じて、入社するきっかけに。全国のMUJI×URの設計業務全般を担当している。
- 見通
- まずは高橋さんから「MUJI×UR」の概要をご説明いただきたいと思います。
- 高橋
-
そもそも「MUJI×UR」は2012年から開始した取組みで、これまでURとMUJIさんで協力しながらさまざまな団地で住戸のリノベーションを行ってきました。基本的に団地には若い入居者の方が少ない傾向がありますが、MUJIさんの力をお借りして「MUJI×UR」は若い方に人気な住戸となっており、団地に若い方を呼び込むきっかけとなってきました。
そういった取組みを行ってきたなかで、2021年から新たに始まったのが「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」(以下、「団地まるごとリノベーション」)です。これまでの「MUJI×UR」では基本的に住戸のみがリノベーション対象でしたが、住戸から団地共用部分などにも拡充し、まさに団地を丸ごとリノベーションすることでさらなる団地コミュニティ活性化を目指しています。そんな「団地まるごとリノベーション」の神奈川県における初めての実施団地となったのがこの港南台かもめ団地です。神奈川県ではこれまで「MUJI×UR」もやったことがなかったので、「MUJI×UR」自体も神奈川県初ということになります。
港南台かもめ台団地における「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」計画
- 見通
- 僕は緑が多いことと、建物に囲まれていて集会所と広場があるのは魅力的だと思いました。日当たりもよく、広場で遊ぶ様子も窓から見られるのはすごくいいですよね。
- 松本
- 「MUJI×UR」に8年ほど関わって全国の団地に行っていますが、港南台かもめ団地はただ建物が並んでいるのではなく、集会所や広場を中心に住棟があります。これは当時設計された方がしっかり考えて意図されたんだろうと感じました。
- 高橋
- 団地ならではの魅力のレベルが高いですよね。しかし一方で若い方が少なかったり単身高齢者の方の外出機会が少なかったりといった課題も認識しています。それらを踏まえて「団地まるごとリノベーション」プロジェクトでは単身高齢者の外出の機会の創出と、団地に若い方を呼び込んで多世代での交流を生み出すという2つの目的を考えました。若者に人気なMUJIさんにご協力をいただいて改修していきながら、高齢者の方から若い方まで幅広い層が気軽に集まれる場所を作るべく、団地の皆さんに意見やお話をお伺いして、今よりも使いやすい開かれた集会所を作りたいと考えました。
- 高橋
- 今回の港南台かもめ団地における「団地まるごとリノベーション」で実施することは主に3つです。1つ目はこれまでの「MUJI×UR」と同様に住戸のリノベーション。「こわしすぎず、つくりすぎない」というコンセプトをもとに全3プラン用意しました。2つ目は集会所を核としたコミュニティ形成支援です。今お集まりのこの集会所は、これまで団地にお住まいの皆さんや自治会さんを中心として、さまざまな用途で使ってもらっており、皆さんの交流場として活用されてきました。今後はこの集会所をさらにコミュニティ形成の場として活用いただきたいと考えています。そのために、昨年6月から「かもめプロジェクト」という取り組みを開始しているところです。代表的なもので2か月に一度「かもめマルシェ」という、無印良品さんの出張販売や夏祭り風のイベント等を開催させていただいております。
3つ目は集会所と屋外部分のリノベーションです。先ほどお話しした通り、これまで長年集会所をご利用いただいている中で、設備や内装も老朽化しています。今回の「団地まるごとリノベーション」で集会所を新しく改修して、さらに皆さんの交流の場として使っていただければなと考えています。改修のコンセプトは「多世代の方がいつでも利用できる」。具体の改修内容を考えるために「かもめプロジェクト」の中で自治会さんやイベントに参加いただいた方にご意見をいただき、それを設計に反映しながら考えているところです。それでは次にMUJIさんの方からこの3つについて詳細にご説明をしていただこうと思います。