MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
3/10 MUJI×UR トークセッション 「災害時における地域コミュニティの役割」

※このレポートは、2024年3月10日(日)に無印良品 グランフロント大阪で行われたトークイベントの模様を採録しています。

part1:MUJI×URについて
松枝
本日は、MUJI×UR未来の日本の暮らしを考えるトークセッションということで始めさせていただきます。

本日は「災害時における地域コミュニティの役割」というテーマですが、1月1日に発生した能登半島地震による被災された皆様並びに関係する方々へ、本日のトークイベントの関係者一同お見舞い申し上げます。共に、皆さんの安全と被災地の1日も早い復興を願っております。
松枝
本日、グランフロント大阪でも梅田防災スクラムを開催しており、防災に関するイベントや無印良品店内でも、様々なイベントを開催しております。
その一環として、本日はMUJI×URのトークイベントを開催しています。

トークイベントは今回で4回目となりますが、本日は防災関連のイベントがありますので、テーマを「防災」とし、特に地域コミュニティというところにフォーカスしたトークイベントを行いたいと思っております。

最初に登壇者の紹介をさせていただきます。
まず、司会と進行を務めさせていただきます、私、株式会社MUJI HOUSEの松枝と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日、登壇者2名にお越しいただいています。
UR都市機構西日本支社京奈エリア経営部長の熊澤さまです。
続きまして、株式会社良品計画「いつものもしも」担当の本田さまです。本日はよろしくお願いいたします。
熊澤・本田
よろしくお願いいたします。
松枝
本日のイベントは、大きく4つのテーマを入れております。
今回のテーマは災害時における地域コミュニティの役割ですが、URさんと無印良品はそれぞれ災害・備えに関することで、これまで様々な取り組みを行っています。
お二方の取り組みやご経験されたこと、あるいはお二方が見た・見えてきたことなどをお話していただきたいのですが、事前に打ち合わせをした際に「地域とのつながり」というキーワードが見えてきました。

そういった観点でURさんの取り組みや無印良品の「いつものもしも」の取り組みについて紹介しながら、どのように防災を始めたら良いのかを、皆さんとも考えていくという内容となっています。

URさんと無印良品は、防災や備えに関する取り組みを東京の町田山崎団地という団地で以前から行っております。昨日と今日、「DANCHI Caravan」というイベントを開催しています。本日は現地にスタッフがおりますので、皆さんにも実際の様子、どういったことをやっているかというのも見ていただきたいと思います。

それでは私からMUJI×URについて、MUJI HOUSEとURのこれまでの取り組みを少しだけ紹介させていただきます。
2023年9月に無印良品 グランフロント大阪のリニューアルオープンを機にこのMUJI×URのモデルルームを新たに設置しました。
MUJI×UR は2012年からスタートし、10年以上経過しているプロジェクトです。
WEBや現地を通じ、お客様とのコミュニケーションをふまえ、団地が持つ良き歴史を生かしつつ、これから多くの方に長く・心地よく住みつないでいただくために、「こわしすぎず、つくりこみすぎない 」というコンセプトでリノベーションに取り組んでいます。
プロジェクト開始以降、団地の魅力について色々と議論を重ね、大きく3つの点に整理して、それらをリノベーションの要素として取り入れ、住戸として提供してまいりました。
松枝
プロジェクトは西日本からスタートし、リノベーション住戸は関西の3団地から始まりました。2024年までに全国71団地までに広がり、現在リノベーション住戸は約1200戸以上になっております。
一方で、2021年からは団地住戸だけでなく、団地の外観や広場・商店街などの「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」のプロジェクトも開始しました。

現在、全国では4団地で実施しており、大阪にある2団地でも取り組んでいます。
共用部のリノベーションだけじゃなく、イメージにあるようなイベントやコミュニティ形成のようなところも継続してURさんとMUJI HOUSEで取り組みを行っています。
松枝
冒頭でもお伝えした通り、2012年からプロジェクトを開始し、2023年9月に無印良品 グランフロント大阪がリニューアルしたタイミングで、10年という節目だったこともあり、これからの10年をまた考えていこうということで、無印良品のメールニュース会員の皆さんやいろんな方にアンケートを実施しました。この中で、本日のテーマとなる「防災」の取り組みについての項目も質問を行いましたので、皆さんからいただいた回答と、見えてきた課題をご紹介します。

団地の共用部についてのアンケートをいくつか取りました。 1番右の赤で囲っているグラフが「団地内における防災、備え活動について、共感しますか。関心がありますか。」という質問に対する共感度、関心度になります。
松枝
他の色々な活用に比べると、防災、備えに関しての共感度、関心度というのは83%と、非常に高い関心がありました。
一方で、防災・備えに関して、実際皆さんが具体的に行動や取り組みを行っているのかを重ねてお伺いしました。

こちらの真ん中で囲っている通り「関心はあるけれど具体的に行動していない」という方が7割以上でした。
松枝
実際、私もプライベートで同じような感じだと思います。皆さんの中でも同じ思いを持たれている方もいらっしゃるのかなと思います。
フリー回答の一例を見ていただくと分かる通りで、「どのように取り組むのか、きっかけが見えない」や「関わりにくい」などといったことを非常に多く記載いただきました。
プロジェクトを開始する、2012年にも同じようなアンケートを実施したのですが、結果が同じところもあり、こういった面が課題であり、URさん・無印良品然り、お手伝いできるところがあるのではないかなと思っています。

先ほど冒頭でご紹介した東京の町田山崎団地はこういった「防災・備え」というテーマに応じ、ちょっとしたきっかけ作りを目的として、「DANCHI Caravan」を2015年から開催しています。 具体的には、後ほど本日実施している様子を見ていただければなと思いますので、ここでは簡単な紹介のみとさせていただきます。

本日はURさん、無印良品で、災害備えに対する実体験や取り組みから見えてきたことについて、後ほどお二方からお話しいただこうと思っております。

キーワードで出てくる「地域コミュニティ」という部分に関して、「どんなことから始めていったらいいのか」ということについては、答えを私どもから申し上げるというよりは、ヒントとなるようなものを提供していきたいと思っていますので、その一例として、 この町田山崎団地で行っていることを皆さんにも見ていただければと思います。

皆さん自身・お住まいの地域などで参加できそうなことや、やっていけそうなことが少しでも見つかるきっかけになればいいなと思っています。

それでは、URさん、無印良品側それぞれのこれまでの災害時・備えに対する取り組みをお話いただこうかと思っております。