MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
バスで行く。東京団地ハイキングツアー
※このレポートは、2013年11月2日に都内で開催されました、「バスで行く。東京団地ハイキングツアー」の様子を採録しています。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトにて、東京都内の4つの魅力的な団地を徒歩とバスでまわるハイキングツアーを開催しました。23名の参加者と見学した団地は、国立富士見台団地、高島平団地、東雲キャナルコートCODAN 、シーリアお台場三番街。団地間はバスで移動し、移動中、そして建物見学中に建築家の門脇耕三氏、堀啓二氏の2名のゲストとのトークセッションも行われました。
スピーカー:
門脇 耕三氏
建築学者。明治大学 理工学部 建築学科/大学院 理工学研究科 建築学専攻 専任講師。
1977年神奈川県生まれ。2000年東京都立大学工学部卒業。建築構法、建築設計、設計方法論を専門とし、公共住宅の再生プロジェクトにアドバイザー/ディレクターとして多数携わる。
スピーカー:
掘 啓二氏
株式会社山本・堀アーキテクツ主宰。共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授。
1957年福岡県生まれ。80年東京芸術大学美術学部建築科卒業後、東京芸術大学美術学部建築科大学院を修了。2005年「東雲キャナルコートCODAN」6区を設計。
スピーカー:
土谷 貞雄氏
株式会社貞雄 代表。無印良品「くらしの良品研究所」、HOUSE VISIONコーディネーター。
1960年生まれ。83年日本大学建築学科卒業後、大学院、ローマ大学へ留学。2004年ムジ・ネット入社後、2008年独立。中心となる業務は、WEBを活用したアンケートやコミュニケーションの仕組みづくり、コラムの執筆など。
国立富士見台団地 (東京都国立市)
JR国立駅で集合した23名の参加者の皆さん。バスに乗って最初の目的地、国立富士見台団地へ向かいます。- 土谷
- みなさん、こんにちは。今日ツアーのガイドをします、無印良品の土谷です。よろしくお願いします。そしてゲストの門脇耕三先生もご同行いただきます。よろしくお願いします。
- 門脇
- 門脇です。今日は一日よろしくお願いします。
- UR
- 本日はよろしくお願いします。今からご覧いただく国立富士見台団地は3つの団地からなっていまして、第1、第2、第3の総戸数は2050戸です。場所は国立市の中心。周辺に公共施設が固まっています。そして団地の北と南では性格が異なり、団地から北は、いわゆる“国立”の上品な街並み。そして団地から南は、武蔵野の緑が残る自然豊かなエリア。ちょっと歩くと羊に会ったりします(笑)。また近くにある谷保天満宮では鶏が飼われていましたが、最近狸に食べられてしまったとか(笑)。それくらい自然が残っている場所です。国立富士見台団地は、この閑静な街並みと豊かな自然をどちらも手に入れることができます。
本日は第1団地の中にある屋外空間と、1986年(昭和61年)既存の建物に増築した建物を見学します。その後バスに乗って、第3団地に向かう道すがら第2団地を車中から見学。第3団地ではレトロで広大な屋外空間を通り抜け、敷地奥にある立川崖線のはけ上まで行って、見晴らしを楽みましょう。天気が良ければ富士山も見られるかもしれません。その後、今回は3種類の住戸を見学。未補修の住宅、リニューアルをした住宅、そして1つの取り組みとして行っている“DIY住宅”のモデルルームも見ていただきます。DIYモデルルームは“DIY女子部”による協力でして、現在施工段階ですが、その状態を是非ご覧になってください。
まずは“第1団地”から。2班に分かれて見学を進めます。
<第1団地>
- UR
- 第1団地は1965年(昭和40年)に建ちました。第1団地だけで1029戸。第2、3を足すと2050戸。空室率はお伝えできませんが(笑)、少しは空きがあります。ここ第1団地は国立富士見台団地の中でも一番中心的な団地です。商店街は団地の両側にあります。この商店街の中には、一橋大学の学生と商店街3つとが連携して運営しているコミュニティカフェ“ここたの”、団地に暮らす方が作ったものを販売する直売所の“とれたの”があり、地域活性の取り組みも進んでいます。
- 土谷
- それは興味深いですね。運営資金はどうなっているんですか?
- UR
- 最初は市から家賃補助などあったようですが、現在は自立運営しています。URとしても一部家賃補助を市経由でしています。
- UR
- そして奥に見えるのが“増築棟”です。新たな部屋を南側にくっつけています。1986年(昭和61年)から少しずつ増築を始めました。バルコニーを壊してつないでいます。間取りは4DK、4Kが主です。
バスで少し移動し、車中から第2団地を見学した後、第3団地ではレトロで広大な屋外空間を通り抜け、敷地奥にある立川崖線のはけ上まで行って、景色を楽しんで頂き、住宅を見学します。
リニューアル住宅 3DK
間取りはそのままに、設備更新と内装の改修を実施しています。いわゆる中層階段室型の5階までの階段上りを体感して下さい。また、上の5階からの眺望は素晴らしいです。天気が良ければ富士山も遠くに見えるはずです。「富士見台団地」ですから。
DIYモデルルーム 3DK
“DIY女子部”の特別ユニット「cobサラダ」によるDIY住宅のモデルルーム。現在施工中で、床と壁だけが施工済の状態です。11月末に予定しています。
同じ団地内にありながら、まったく趣きの異なる住戸を見学した後はバスに乗り込み国立富士見台団地を後にし、次の目的地である高島平団地へ向かいます。