MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
団地リノベーション完成 ここだけの話 2016

※このレポートは、2016年1月11日に光が丘パークタウン集会所で行われたトークイベントの模様を採録しています。

豊田
仕様・施工について
ここからがWEBには出ていない「ここだけの話」になります。現場の苦労話をしていきます。
このプロジェクトでは、ほぼ毎週打ち合わせをして3ヶ月くらい議論を重ねていきました。毎回10~15人が集まり、様々な検証を行います。多いときは20名以上参加されるときもあり、苦労が多い現場でした。しかしこのくらいの人数をかけて良いものをつくっていこうとしています。
 
解体
古い団地には、詳細の図面は存在しないので、一度壊してみないとわからないところが多いんです。通常の改修工事だと全部解体してやり直しをするのですが、MUJI×URは「できるだけ生かす・残す」ことを大事にしているので、そこの意識合わせを職人さんとするのが大変でした。
 
電気、ガス、水道の普段目に見えないところが出てきます。これをどう生かすかを考えていきました。また、キッチンのタイルをどこまで残すかがポイントでした。できる限り残したいのですが、状態が悪いと取らざるを得ない。このあたりも工夫しました。
豊田
天井も非常に難しかったです。直径1ミリの粒状のものが天井についているのですが、これを白くしようとしたらうまく塗料が乗らないということがありました。いろんなやり方を試しました。白塗料を吹付けたりしましたが難しく、最終的にはボンドを塗って固めてから塗装し、全体のテイストをあわせました。

BEFORE

AFTER

豊田
柱や鴨居も白く塗っているのですが、塗装しただけではヤニや日焼けが出て浮いてしまうので、単純に塗装すれば良いわけではなく苦労しました。ヤニを止める塗料を塗ったり、様々な方法を試しました。

BEFORE

AFTER

豊田
クロスをはがしたら、下紙が残ってしまうのですが、取るのも大変なので、この上から塗っていきました。下紙の状態が悪いと剥がれてきてしまうので、塗装は2、3回やりました。

BEFORE

AFTER

豊田
床はとても苦労しました。コンクリートむき出しの状態にもっていきたかったのですが、はがしてみたら思うような状態ではなかったので、職人さんに削ってもらいましたが非常に大変でした。時間も労力もかかっている。こうしたおかげできれいになり、古い雰囲気も出せるようになりました。
豊田
下の写真は、フローリングが日焼けしたり経年変化している状態ですが、床材はしっかりしていたので、できる限り活かそうということで上から塗装しました。ちょっとしたでこぼこや古さも味になるのではと考えて積極的にやっていきました。

BEFORE

AFTER

豊田
1回、2回、3回の塗装で、それぞれ仕上がりが変わります。1回だと下地の茶色がうっすら出てしまうので、2回塗るとだいたい白く、3回だと完全に白くなりました。
豊田
また、床は古いのでねじれていたり曲がっていたりしたので、ふすまが走れるように職人さんに調整してもらいました。