MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「港南台かもめ団地集会所を核とした港南台地域コミュニティのこれから」
- 石川
- ここからは地域との繋がりでいくつかご紹介させていただきます。まずは港南区にある野庭団地の写真です。東京ドーム15個分という、市内では一番大きな団地です。50年前に建てられたので建物は老朽化し、お住いの皆様も高齢化しています。取り組みの1つが「野庭住宅・野庭団地の未来をつなぐ会」として、関係者が集まって野庭の未来について議論をしています。また、昨年の6月に「暮らしの編集学校」という取り組みで、弊社の店舗スタッフから公募し選出された数人でグループを作り、野庭の課題や魅力について調べ、課題解決につながるための話し合いをしました。住民の方、そして野庭に関わる大勢の方の前で発表しました。
- 石川
- 港南台バーズの地域のつながりとしては、地域のお店や職人、活動団体の活動発信の場として「つながる市」を開催し、ものづくりのワークショップやトークショーなど地域のコミュニティセンターとして楽しめるコンテンツを提供しています。また港南区福祉健康課と港南区で健康推進をしているボランティア団体の食生活改善推進員(ヘルスメイト)さんによる料理教室イベント「やさいたっぷり&防災レシピ」と「ベジメータ測定」を行いました。これには36名もの方に参加していただきました。港南区区政推進課・セカンドライフ大学による「簡単パンづくり教室&コーヒーの淹れ方講座」は、港南区主催のリタイア世代、団塊の世代を対象とした地域活動のきっかけとなる講座でした。この他にも地域密着店舗によるワークショップや展示の開催、「スタッフによるキッチンカウンターでの料理教室」、自社アプリ、SNSをツールとして使用した地域のためのコンテンツ発信を継続しています。
- 石川
- 無印良品は小売りですが、ただ物を売るのではなく、イベントを通してお客様、地域の方とのつながりという視点を持つとお店の使い方や関わる方も変わってきます。これを見て「私も参加したい」という好循環で地域が発展すればいいなと思っております。引き続き「つながり、ひろげる、役に立つ」をモットーに地域の皆様と一緒に盛り上げていきたいと思っています。
- 司会
- ありがとうございます。当店のスタッフが先生になったり新しい地域の方が生徒さんで来ていただいたりと、地域と店舗の関係性もお互い様おかげ様で取り組みをされていることがよくわかりました。それでは次に、UR 都市機構及び港南台かもめ団地の取組みについて UR 都市機構玉木様よろしくお願いいたします。
- 玉木
- UR都市機構 神奈川エリア経営部ウェルフェア推進課の玉木と申します。冒頭お話した中村と一緒に私のウェルフェア推進課でも「MUJI×UR団地まるごとイノベーション」に関わっており、私の課ではソフトやコミュニティ形成に取り組んでおります。私からはUR 都市機構が全社的に取り組む地域医療福祉拠点化の話と、港南台かもめ団地での取り組みをご説明させていただきます。
日本ではご存知の通り高齢化が進んでおり、国では「年齢を重ねても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築」が推奨され、各地方公共団体は地域の実態に合わせた取り組みが進められています。URの団地でも同じように高齢化が進んでおり、私たちURはこの地域包括ケアシステムの一端を担うため、多様な世代が生き生きと暮らしていけるよう、地域の方々の協力をいただきながら、「地域医療福祉拠点化」を進めております。
- 玉木
- 拠点化の取り組みは大きく3つございます。「地域における医療福祉施設等の充実の推進」、「高齢者等多様な世代に対応した居住環境の整備の推進」、「若者世帯・子育て世帯を含むコミュニティ形成の推進」であり、平成26年度からこの取り組みを始め、現在、全国で281団地となっています。
この3つの取り組みから代表的なものご紹介します。ひとつは生活支援アドバイザーです。URの団地の管理サービス事務所におりまして、高齢者の各種相談に対応し、必要に応じて行政機関や地域包括支援センターと連携を取りながらお客さまに安心して住んで頂けるようにお手伝いをしています。また高齢者向けの住宅として整備している健康寿命サポート住宅は、移動に伴う転倒の防止等に配慮した住宅であり、段差を少なくして要所に手すりを設置しているほか、モニター付きインターホンや玄関に人感センサー付き照明を設置、更にはヒートショック対策として浴室にはヒーターの設置、トイレには暖房便座の設置等するなど工夫を凝らした住宅となっています。
- 玉木
- 港南台かもめ団地のご紹介をさせていただきます。港南台かもめ団地は昭和50年に建設された約1500戸の非常に大規模な団地です。屋外は非常に緑豊かで、最近では珍しくお住まいの方々のコミュニケーションが図れる場として、きのこプールと呼ばれる徒渉池やテニスコート、団地中央には高齢者の方が気軽に集えるEラウンジというお部屋や集会所があります。団地における地域活動では自治会さんや民生委員さんを中心に港南区さん、地区社協さん、地域ケアプラザさんなどの地域の皆さまの協力もありながら、活発な活動が行われていると聞いております。特に毎月のかもめシルバー会やかもめカフェなどには多くの方が参加され、また子育て世帯の方を対象とした「かもめコネット」も開かれ、幅広い活動がおこなわれています。
先ほどご紹介した拠点化の取組みは平成30年から進めておりまして、健康寿命サポート住宅は令和元年から供給し、現在は24戸となり、生活支援アドバイザーは令和2年に配置しており、毎週木曜日には申し込みのあったお客様と電話でお話をする「あんしんコール」も実施しています。また、買い物支援やみまもり活動の一環としてダイエーさんの移動販売を港南区、区社協さん、ケアプラザさんのほか、買ったものをお部屋まで運んでくださるボランティアの皆さんのご協力のもと、週に2回実施しており、お住まいの皆さんに喜んで頂いています。さらに地域の皆さまと3か月に1度、情報共有の場として連携会議を開催。これは、移動販売を軸とした見守り状況等の情報共有から始まった会議であり、地域の高齢者の方の状況や地域の課題について情報共有・検討を行っており、今後も皆さまのご協力のもと一緒に連携していきたいと思っています。
- 玉木
- このように素晴らしいかもめ団地をさらによくするために若い力や新しい活動が必要ではないかと思い、今回、住戸の改修だけではなく、共用部改修とコミュニティ形成支援の取組みである「MUJI×URまるごとリノベーション」を始めました。団地中央には集会所がありますので、「団地集会所を核とした世代を超えたコミュニティ形成を図ることを目指し、それを「かもめプロジェクト」と称し、昨年から進めています。かもめプロジェクトは、団地や地域の課題解決や魅力発信、集会所の利用方法の検証を目的としています。活動は大きく2つございまして、一つは、月に1回開催する「かもめ会議」であり、MUJIさんと一緒に団地集会所のこれからについて話し合い、「集会所にあったらいいもの」や「集会所でやりたいこと」などを議題とし、参加者である「かもメイト」とアイデアを出しながら解決の糸口を探しています。同時に、今回実施する集会所の改修検討にあたっては、団地を良くご存知で、現在一番集会所をご利用頂いている自治会さんにも多くのご意見も聞きながら進めてまいりました。
会議の様子を掲載しておりますが、この後のMUJI HOUSEさんのご説明の中で皆さまから頂いたご意見がどのように反映されたのかご覧いただければと思います。
- もう1つの取り組みが「かもめマルシェ」です。URとMUJI HOUSEさんが連携した団地集会所や屋外空間を活用したイベントです。集会所や団地の屋外空間を活用したイベントで無印良品さんの出張販売やワークショップ等も一緒に行っています。「かもめマルシェ」を定期的に開催することで団地の魅力を知っていただいたり、地域活動に関心のある方に、集会所を地域活動の場所の一つとしての認知してもらうことも一つの目的となっています。
これからもかもめプロジェクトは続きます。かもメイトのメンバーも募集中です。
かもめ団地ではかもめマルシェを定期的に行っていますので、是非お時間のある方は足を運んでみてください。
これから生まれ変わる新しい集会所をどのように使っていくか、どうしたらたくさんの人が使いやすいものになるか、等々、アイデアをいただきたいものがたくさんあります。
是非、ご興味のある方はかめもプロジェクトに参加して頂き、一緒に地域を盛り上げていきましょう。
そして、皆さんのプロジェクトへの参加、アイデアにより、いろいろな特技や楽しい活動が行われている場として、今回生まれ変わる集会所を団地にお住いの方々と一緒に使っていただければ嬉しいです。 - もう1つの取り組みが「かもめマルシェ」です。URとMUJI HOUSEさんが連携した団地集会所や屋外空間を活用したイベントです。集会所や団地の屋外空間を活用したイベントで無印良品さんの出張販売やワークショップ等も一緒に行っています。「かもめマルシェ」を定期的に開催することで団地の魅力を知っていただいたり、地域活動に関心のある方に、集会所を地域活動の場所の一つとしての認知してもらうことも一つの目的となっています。
- 司会
- ありがとうございました。これからの「かもめプロジェクト」と今後の連携もすごく楽しみだなと思いました。それでは次にMUJIHOUSEについて、MUJIHOUSEリノベーション事業部の豊田様、よろしくお願いします。