MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
10/6 MUJI×URイベント 「未来を考える 団地Lab.」
- 豊田
- 団地まるごとのイノベーション自体はまだ4団地でしか行っていないのですが、もし香里団地でできたらという案です。
- 豊田
- 団地まるごとリノベーションを行う前に、その地域資源に何があるのか?を必ず考えています。花見川団地でしたら花見川にサイクリストがたくさんいらっしゃるので、そういう方が集える場所を団地につくることで団地の活性化ができないかと考えました。香里団地の場合は、駅から遠いことがデメリットに感じてしまいがちですが、逆に駅までの道がポイントになるのではないかと思いました。この道を面白くすることでかなり暮らしが変わってくるのではないかと考えました。
- 豊田
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「道のリノベーション」を行うことができたら面白いのではないかと考えてきました。香里団地の周りには、けやき、いちょう、さくらの名がついた3つの並木があり、こちら枚方八景に認定されていたり、水路などもきちんと整備されているので、自然が暮らしに密接しています。
水路は、一般的に隠されてしまうことが多いのですが、香里団地周辺はしっかり水路が見えて、遊ぶこともできるようになっていて、水のある暮らしをちゃんと建設当初から考えられているところが非常に良い部分だと思います、そういったところを生かしたいと思いました。
- 豊田
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1つ目は、先ほど出てきた自動運転バスのガチャを利用した案になります。中に10人ぐらい乗ることができるようになっているので、団地の中だけに限らず、駅から団地までを走らせることができたら良いのではないかと思いました。枚方市駅には無印良品の店舗もあるので、そちらでお買い物もしていただけると良いなと思いますし、「GACHA(ガチャ)」の中に無印良品の商品が並んでいるのも面白いかもしれません。
このガチャは移動だけではなく、コミュニティバスでコミュニケーションを取ることもできると思うんですよね。ガチャはイスが内向きに並んでいて、乗車した人が会話しやすいような配置になっています。
見知らぬ人ともちょっとした会話ができるので、団地の共用部が移動しているようなイメージですね。
ただ移動するだけでなく、新しい暮らし方ができるようになるのかなと感じました。団地に限らず今、日本の世帯構成では1人暮らしが4割くらいとなり、1番多くなっています。
1980年頃は夫婦と子供の世帯が1番多かったのですが、どんどん減って1人暮らしの方が増えています。団地でも同じことが起きていると考えると、血縁関係ではない、違った「縁」が必要なのかなと。
いろいろな方と関わりながら暮らしていくことは非常に大事なことかと思うので、コミュニケーションを含めた団地まるごとリノベーションのコミュニティづくりはとても大事だと思っています。
今はバスも運転手不足で減便がされ始めました。私が住んでいるところでも減便が始まっているので、そういった社会課題も合わせて面白いのではないかと考えました。 - 前田
- 自動運転バスの「GACHA(ガチャ)」の形かわいいですよね。
- 豊田
- 「GACHA(ガチャ)」はカプセルトイをイメージして作られているので丸みをおびたデザインになっています。
- 豊田
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あと、香里団地には広場があるので、そこで地域の方が出店できるようなイベントをする状況を作れたらいいですよね。
駅までの道路が非常に長いので、今もあるかもしれませんが休憩できるように、先程紹介をしたつながるストリートファニチャーを設置することでコミュニケーションを取ることができる状況を作ることができるかなと。
- 豊田
- また、水辺がとてもすてきなので、くつろぐ場所やバーベキューなんかができてもいいですよね。
- 豊田
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あとは、並木通りが多いのでお花見をしても面白いですよね。
バス停もポイントで、ただ単にポールが立っているだけではなく、例えばバス停をリノベーションしてカフェにしても良いかなと思いました。
URさん、どうでしょうか。 - 前田
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バス停をリノベーションできたら、バスに乗るのも楽しみになるし、早めにバス停に行って木陰の下でコーヒー飲みながらバスを待つのも楽しそうですね。近くに広場もできたらとても雰囲気もよくなり、香里団地のエリアで暮らすのが楽しくなりそうです。
ケヤキ並木がきれいですよね。だんだん涼しくなってきたので、お散歩するのもいいですよね。
ストリートファニチャーですが、最近では御堂筋の道路沿いで社会実験として誰でも使用できるベンチが設置されて憩いの場が展開されていたりするので、みんなで座って楽しもうっていう取り組みは社会的に進んでいますので、日本の道路の使い方はどんどん変わっていくのではないかと思います。そこにうまくURも乗ることができればいいですよね。 - 豊田
- ありがとうございます。今日はトークイベント用に考えた妄想を皆さんと考えていきましたが、実はウェブサイトでも発信をしています。MUJI HOUSEが運営するwebマガジンサイト内にある「団地再生物語」というコラムを定期的に更新しています。 MUJI×URのwebページにも展開していますので、よろしかったら見てみてください。 そちらのコラムでは、こういったことがあるといいよねという案を時々出しています。 例えば、資料のこちらに具体例があるのですが、左側の「もしも団地内にキッチンスタジオができたら」などになります。 こらちは今年実現予定で、港南台かもめ団地に実際にキッチンを導入しました。
- 豊田
- もちろんハードだけではなく、ソフトも含めて発表ができるかと思います。 真ん中は、「団地の店舗付き住宅に住めたら」というものを2018年から実は考えていて、4年後の2022年に花見川団地で実現させることができました。 右側の妄想は、素本さんにも参加いただいたと聞いています。
- 素本
- はい。そうなんです。
- 豊田
- こちらも2014年に団地の広い敷地でキャンプができたら面白いのではないかとコラムを掲載したところ、URさんに「面白いからやろう」と言っていただき、若手の方々に実現していただきました。 東京の町田山崎団地で、「防災キャンプ」として、無印良品の「いつものもしも」と一緒に年1回実施していています。地震が起きて、家の中に住めなくなった時でも慌てないで暮らせるように団地の敷地内にテントを張り、宿泊やキャンプファイヤーを行っています。水や電気などのインフラが使用出来なくなってしまった時も工夫をすることで少しでも快適に暮らすことができることをレクチャー・体験していただいています。
- 豊田
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紹介したものの他にも妄想を実現してきています。今日のトークイベントで「突拍子もないことを言っているなぁ」と思っている方もいらっしゃるとは思うのですが、私たちが出した意見だけでなく、皆さんの考えや妄想を掛け合わせて解像度を高めることで5年・10年30年後の未来に実現化が出来る可能性がありますので、アンケートにぜひご意見を記入いただけますと嬉しいです。
では最後に、登壇いただいた素本さん、前田さんから今後の団地について一言いただいても良いでしょうか?
- 素本
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コロナ禍を経て、私自身、屋外空間の魅力に改めて気づかされたのですが、団地の屋外空間も大変魅力的だなと香里団地を紹介していく上で改めて感じました。
MUJI HOUSEさんとセッションをして行く上でも、今ある屋外空間でこんな新しい使い方が出来るんだと改めて勉強になりましたし、こんなものが今後団地にあったらいいなと純粋に思え、とても楽しいひと時でした。
今回話した内容も踏まえ、ハードとソフトの両方でより良いまちづくりを実現できるように、私自身これからも頑張ろうと思いました。
- 前田
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今日はお越しいただきましてありがとうございました。豊田さんからもありましたが、「突拍子もないことを言っているなぁ」と思った方もいらっしゃったかもしれませんが、些細な思いつきや発想がいつか時代を変えるようなイノベーションに関わっていくこともあります。ぜひそういう仕事を私たちもしていきたいと思いますし、それを形にできるような取り組みをして行きたいと思います。
そういったことが今の日本には必要なのかなと、漠然と思いました。今日はそれに気づかせてもらった大事な時間だったなと思いました。 - 豊田
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素本さん、前田さんありがとうございます。
最後に私の方からですが、団地まるごとリノベーションという形でMUJI×URで行っている最新のプロジェクトをご紹介させていただきました。
素本さんからお話がありましが、香里団地にかかわらずほとんどの団地は何もないところに団地が開発され、その団地が中心となって「まち」がどんどん発展していったっていう歴史があるかと思います。
団地というと、その地域の中で建物が密集しているようなハードの部分が強調されてしまいがちですが、今後は団地の役割が多分変わって行くのだろうと思っています。
団地のハードを利用した、ソフトの部分が今後大切になってくると感じています。先ほどのコミュニティの話がありましたが、1人暮らしの方がどんどん増えてゆく中で、人との繋がりをどう持たせて行くのかが課題だと思います。今まではファミリーに対して多くの住戸の提供をおこなってきたと思うのですが、変化して行く時代に合わせて団地のあり方も変えて行く必要を感じています。
- 豊田
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どうあるべきかを再度考えると、やはりソフトの部分が重要だと思います。
私たちは、団地まるごとリノベーションで色々な団地のソフトの部分にも関わらせていただいていますが、やはり実際に団地・周辺地域に住んでいる方、小商を行っている方々との活動は非常に面白く、こういった活動がどんどん広がって行く状況を作ることができたらいいなと思っています。
例えば、花見川団地にある商店街では私たちが活動した後に、空きテナントだったところにカフェやドーナツ屋さんなどのおしゃれなお店や若い方が入ってきてくれています。
「あの団地にいけば、今日も面白いことをやっているよ」と言うような状況を団地の周辺にお住まいの方に知ってもらえると、団地が遊びに行く目的地になるのではないかと思っています。
日本の人口が減って寂しい感じがしてしまいますが、そういった地域を団地が中心となって今度はソフトの部分を上手く活用して活性化して行く、これが次に課せられた使命なのではないかと考え、活動して行きたいなと思っています。
先ほどもお話ししましたが、ぜひ皆さんからのご意見もいただきながら、次の活動にどんどん繋げていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。 - 松枝
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素本さん、前田さん、豊田さんありがとうございます。
こちらを持ちましてトークセッションを終了とさせていただきます。本日はご清聴いただきありがとうございました。
お集まりいただいた皆さま、ありがとうございました。 今後のMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの取り組みにご期待ください。