MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
7/14 MUJI×UR トークセッション 「住まいと暮らしのセッションによる豊かさ」
- 松枝
-
ありがとうございます。笑
先ほど集会所の話でアイディアをいただきましたが、団地でこんなものがあったらいいなと思うものがありましたら教えてください。 - 大江
-
ジムですね!
ブルックリンは公園がジムになっているんです。シックスパックの男性が裸で体を鍛えているんですよね。お金を払うワークアウトもありますが、その中間というか、気軽に参加することができるような場所があってもいいなと思います。
あと、団地に2泊3日ぐらいチェックインして体験で泊まれるといいですね。 - 松枝
- いいですね!
- 大江
- そんなことが団地で出来たら泊まりたいですよね。
- 松枝
- 長谷川さん、これはどうでしょうか?
- 長谷川
-
千里さんにおっしゃっていただいたような、トレーニングを行うようなスペースが団地にはたくさんあると思いました。
今の団地にさらに建物を建てていくことは、環境負荷の問題や工事をしなくてはいけなかったりして完成するまでに時間がかかってしまうのですが、腹筋がしやすいベンチだったり「健康遊具」を置いている団地もあるので、そういったスペースで体を鍛えるための「ジム」と捉えるのはとてもいいなと思いました。
- 長谷川
-
また、団地に2泊3日の宿泊についてですが、実は関東の団地で試験的に実施をしています。まだ関西ではできてないのですが、団地にお住まいになられる前に、お隣さんやどんな環境で暮らすことになるのか、宿泊体験をしてもらうことで、不安を緩和していただけるかなと思っています。
団地に親戚やお友達が住んでいる方が遊びに来て泊まりたいという時にも使えたらいいですよね。法的な問題などもあるのですが、アイディアとしてはあるので社内で協議しています。千里さんがおっしゃっていた、人とゆるく繋がるためのツールとして実現出来たらいいなと思っています。 - 大江
-
長谷川さんのお話に共感できるところがいっぱいありました。
アメリカで車を走らせていると、トレーラーハウスを見かけることがあります。
家を持たず、トレーラーハウスに住んでいる人とかも結構いて。季節ごとに好きな環境を選んでいくんですよね。犬がたくさんいて、トレーラーハウスからそのまま泉に飛び込んでいって、みんなで泳いでいたり。表には見えていない大変なこともあるとは思うのですが。
- 大江
- どのように暮らしていこうとか、もう本当に1人だって思った時に、トレーラーハウスにインターネットもつないでピアノも持ちこんで移動をしながら暮らす。そして人恋しくなったりした時に、長谷川さんがおっしゃったように気軽に団地に宿泊ができたら、もやし炒め作っておすそ分けして、「うまいですね!」ってなって「食べる?」みたいな会話が生まれるかなと思いました。
- 松枝
- ありがとうございます。話が尽きないですね。
- 大江
-
もうこんな時間だ!
演奏はしなくてもうよくないですか? - 松枝
-
皆さんが楽しみにされていますので、ぜひ演奏もお願いします!
トークイベントもとても盛り上がっているところで、最後に長谷川さんからコメントをいただいてもよろしいでしょうか? - 長谷川
-
喋り過ぎてしまいました。
千里さんのお話を伺い、ニューヨーク・ブルックリンの方々は空間を使うのがとてもうまく住みこなしているなと感じました。
ニューヨーク・ブルックリンの方々と比較すると日本人はあまりうまくないなと思ってしまいました。 - 大江
-
日本人はすごくきれい好きだし、真面目じゃないですか。時間も守るし。僕が住んでいるエリアの人たちは時間にルーズですよ。
朝通勤中にバナナを食べて、皮をポイって捨てるでしょ。そしたら、次に来た人が絵に描いたように転んで、怒るんですよ。コメディ劇場を見ているようですよ。 - 長谷川
- 今のお話を伺い、先ほどはうまくないと言ってしまいましたが、言葉を改めると、日本人は「シャイ」なんですね。
- 大江
-
文化でしょうね。僕もすごいシャイですよ。
日本人は英語でも、OKじゃないのに「I’m OK!」って言ってしまったり、「今日何食べる?パスタ食べる?」って聞くじゃないですか。
海外の人からすると、「なんで人に聞くの?」と言われるのですが、そういった時に「日本人は、自分のことはちょっと置いておいて、相手が何を食べたいのかな?何を考えているのかな?って、ちょっとでも寄り添って実現させてあげたいって思っているんだよ」と解説すると、「Oh my god!」って驚かれるんですよね。
日本人からすると普通のことでしょう?小さいときから家族にそういうことを教わって団地で生活してきていますからね。
- 大江
-
「シャイ」と言われる不器用さって、日本人の胸がキュンとくる、そういった感情をうまく訳して表現をすることで、アメリカ人であっても世界中の人に共感する部分があると思います。
MUJI×URの活動について、SNSなどを使いライブ配信を行うことで同じ思いを感じてくれる人がいると思います。世界中に「MUJI×URの団地を作って欲しい」「こういった取り組みをもっとして欲しい」と思う人たちが増えて行くといいなと思います。
世界平和の大きな話しになってしまっていますが、すごいアイディアがあると思っていて。今、世界はあまりいい方向に向かってないように見えるけど、MUJI×URの話しをしていると、未来がなんかこう、光が差してくるというかすごく明るい気持ちになります。いろいろなことができると感じますね。 - 長谷川
-
そうですね。
URは約70万戸の大家として、空間や仕組みを提供することでシャイな方々への後押しをしながら、お住まいの方も大家もみんなで楽しめる団地を目指していきたいと思っています。 - 大江
-
先ほど出てきた住宅すごろくに例えると、1970・80年代頭の当時はすごろくの振り出しにいて、 団地の1号棟の3階が当たって、次はニュータウンの一戸建に引っ越して、増築して、増やしてという時代でした。
今は逆にものを手放して行って、シンプルにするということに意義を感じる人も増えていますよね。
僕もちょっと名刺を整理しようかなとか、外食もいいけれど自分で料理を作って、本当に大事な人に来てもらって一緒に食べるのもいいなとか、いろいろな価値観が生まれてきていると感じています。
- 大江
-
今ブルックリンで楽しく暮らしていますが、僕は団地で育った自分が誇らしいと感じています。ベランダに立っておもちゃのメガネをかけて笛でピピピって遊んだ経験をした自分がいたことで得られた発想や価値観。あの時に見た原風景、冒険・探求心やいっぱい笑ったこと。親に作ってもらったピアノのレッスンバッグが破れてしまっていっぱい泣いた時の生々しい感情を思い出し、新しくなった団地の景色を見ながら、胸がキューンってなるんです。
これから未来に向けて、若い方も我々のようにシニアになっていく人たちも生き続けて行きます。その生きている時間の中で、こんな素敵な出会いや思い出の共有などを考えて、命をかけてギャグも言いながらMUJI×URのようなものをつくっている人がいるっていうのは、もう本当にすてきだなと思います。 - 松本
- 千里さんのお話しに聞き入ってしまいました。お話を伺い、「自分たちは主役ではなく、背景である」という無印良品の考え方をベースとして、ものづくりやデザインを考えています。今回のように、トークイベントなどでお話を伺う度に「自分たちは主役ではなく、背景である」という立ち位置は間違ってはいなかったんだなと改めて確認できました。今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
- 大江
- ブルックリンのウィリアムズバーグというエリアに無印良品のお店があるのですが、この間行った時に、アフリカ系のお洒落な女の子が、消しゴム1個、お箸1個をすごく真剣に選んでいるのを見たことがあり嬉しくなりました。買い物をしてくれて、無印良品の大きな紙袋を持って、先ほど紹介をしたウォールアートの前を闊歩しているのを見ると誇らしい気持ちになりますよ。
- 松枝
-
千里さん、ありがとうございます。
本日は「住まいと暮らしのセッションによる豊かさ」をテーマに貴重なトークセッションをさせていただきました。
千里さんからいただきました感じの良い暮らしについてのご意見も参考にさせて頂きたいと思います。本日はありがとうございました。 - 大江
-
ありがとうございました。
参加していただいたみなさんもありがとうございました。
楽しかったです。
- トークイベントの後には、ジャズの演奏をしていただき会場は大変盛り上がりました。
- MUJI×URのモデルルームも見学頂き、玄関の壁にサインをいただきました。
-
大江千里さん、お集まりいただいた皆さま、ありがとうございました。
今後のMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの取り組みにご期待ください。