MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
団地リノベーション完成 ここだけの話 2013

※このレポートは、2013年2月14日に無印良品 難波で行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています。

豊田
さてここからは、「住み手が自由にできるところ」の具体例「組合せキッチン」です。
豊田
キッチンってそもそも、料理を頻繁にされる方にはいいのですが、料理をあまりしないという人も当然いて、そうした人には今のキッチンって大きいと考えています。もう少しコンパクトなキッチンが今の暮らしには必要なんじゃないかと思うんですね。
それで開発したのがこの「組合せキッチン」です。キッチンとテーブルが同じ高さ、同じ素材でできています。使い方によってキッチンにもなるし、テーブルの延長にもなったりと、いろいろな使い方ができるというものです。

次の「住み手が自由にできるところ」は、天井からつり下げた小天井に無印良品のユニットシェルフを組み合わせた例です。
豊田
このように空間をゆるやかに仕切ることができるほか、実用的な間仕切り収納としても使うことができます。
天井と床で突っ張るパーツを使えば、倒れる心配もなく両面から使うことも可能です。

小天井+無印良品ユニットシェルフ 家具設置の一例

間仕切り収納がある場合とない場合とで、空間が大きく変わる

豊田
「住み手が自由にできるところ」3つめ、レールを入れてカーテンで仕切る、鴨居の利用例です。
写真は、残した鴨居にレールをつけたものですが、写真ように、カーテンで仕切ることができます。暮らし方によって、一室空間として使ってもいいかもしれません。
豊田
最後に「住み手が自由にできるところ」として、収納もできる限り住まい手の自由にしました。
実は、キッチンの下をあけています。キッチンまわりの収納は、使う人の暮らしに合わせて備えたほうが無駄なスペースも生まないと考えたんです。置き場所に困るような大きな保存容器やごみ箱などを入れることもできて、自分の好きなアイテムでコーディネートすることもできます。
豊田
これらの3つ団地に、今回は5つのプランをリノベーションしました。
「リバーサイドしろきた」が2つのプラン、「泉北茶山台二丁」が1プランで、「新千里西町団地」が2プランです。これをご紹介します。

MUJI×UR Plan 01 [Re+001] 「リバーサイドしろきた」(大阪市都島区)
56m²という広さの部屋をリノベーションしました。バルコニー側の和室の間仕切りをなくして、キッチンと合わせて一室空間としました。柱を積極的に残して、さらに小天井を左右と真ん中に通して、ここで間仕切りができるようにしています。


MUJI×UR Plan 02 [Re+002] 「リバーサイドしろきた」(大阪市都島区)
広さは60m²です。バルコニー側の和室をなくして一体空間としました。小天井を壁際と真ん中やや右寄りに入れています。キッチンは別空間のままとしました。


MUJI×UR Plan 03 [Re+003] 「泉北茶山台二丁」(堺市南区)
広さは46m²ですね。すっきりとした形のLDKにしました。大きな間口になることで、光や風が通り抜ける快適な暮らしができそうです。


MUJI×UR Plan 04 [Re+004] 「新千里西町」(大阪府豊中市)
広さは43m²です。キッチン横の和室をなくして、対面キッチンとしています。


MUJI×UR Plan 05 [Re+005] 「新千里西町」(大阪府豊中市)
広さは64m²ですね。新千里西町は都市部に近く、共有部もとれるので、シェアルームとしての利用が魅力的だと考えました。そこで、ダイニングを住まいの中心として、3人でシェアができる住まいとしました。広いキッチンは3人分の収納スペースが十分に確保できそうです。浴室にはオーバーヘッドシャワーを設け、浴槽はありませんが、広いシャワールームとしています。

長谷川
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは、「団地らしさを大切にする」というところがコンセプトとしてありました。残すべきものを生かして大切にする、つまり“住みつなぐ”暮らしです。
これまでのお話にも出ている「組合せキッチン」(キッチンカウンター・テーブル・長椅子)は、「リバーサイドしろきた」の1LDK、「泉北茶山台二丁」の1LDK、「新千里西町」の1LDKの3プランで標準装備しています。