MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
1/25 MUJI×UR イベント 「団地リノベーションここだけの話」

※このレポートは、2025年1月25日(土)に無印良品 グランフロント大阪で行われたトークイベントの模様を採録しています。

part5:MUJI×UR Parts Room
松枝
ありがとうございます。
先ほど松本さんからお話しした内容までは掲載されてはいないのですが、MUJI×URのwebサイトには、先ほどお話ししたお部屋の写真を含めたプランを紹介していますのでご興味ある方は、ぜひご覧いただければと思います。

今回は、MUJI×UR Parts Roomについても紹介をさせて頂きたいと思います。2024年2月に3つ目のシリーズとして、MUJI×UR Parts RoomをURさんとリリースさせていただきました。実は、大阪でもこのタイミングで、MUJI×UR Parts Roomを中宮第3団地で1戸展開することになりましたので、MUJI×UR Parts Room全体のご紹介と、実際の内容についてご紹介をさせていただきたいと思います。
松本
はい。先ほどの箕面粟生第3団地の新プランも、初年度は募集住戸の数が少ないので、多分取り合いになるのではないかと思うのですが、よく「全然MUJI×URに住めないじゃないか!」という声も伺っています。
もっとMUJI×URを提供していきたい・体験していただきたいと思っているため、MUJI×UR Parts Roomをスタートさせました。
従来の団地の住居にURさんと共同開発をしたパーツを加えた住まいをたくさん供給したいと思っています。
松本
MUJI×UR Parts Roomは5つの暮らしのテーマを設定して、テーマに沿ったパーツを加えていくことで、お部屋を作っていこうというコンセプトになっています。

1つ目が、暮らしのテーマ1「変えられる」になります。
松本
使用しているパーツは、麻畳と照明になります。麻畳はモデルルームにも入っているのですが、表面が非常に丈夫になっているので、例えばダイニングテーブルを置いても使うことができますし、通常の畳としての暮らしもできるという意味で「変えられる」になっています。

こちらの照明はもちろん高さを変えることができるのですが、シェードも変えることができます。暮らしのシーンに合わせて照明を変えることができます。
組み合わせによって、暮らしを変えられるというテーマとなっています。
松本
暮らしのテーマ2「木に触れる」ですが、今日はサンプルを用意したのですが、実はこちら団地の伐採木で作られています。
こちらについても第二部で詳しくお話ししたいと思いますが、キッチンの取手やスイッチプレートや床のフローリングなどお部屋のいろいろなところに木を使用しているので「木に触れる」というテーマとなっています。
松本
暮らしのテーマ3「つなげたり、仕切ったり」です。
こちらはふすまとなるのですが、MUJI×URで使用しているふすまもURさんと共同開発をしていて、「ダンボールふすま」と言い、ダンボールでできたふすまになっています。

昔のふすまは木で作られていましたが、最近は芯材にダンボールが使われています。
URさんの他の住戸でも使用されていますが、非常に軽くて取り外しがしやすいという特徴があります。 URさんで使われているダンボールの表面に装飾用に柄の入った紙が貼られているのですが、共同開発パーツの「ダンボールふすま」は余計な装飾はせず、芯材の段ボールの素材そのものを生かしています。
資料の通り、ふすまを付けたり外したりすることで、自由に間取りが変えられる暮らしができるようになっていますし、外したふすまを収納できる「ふすま収納」も実は付けています。
僕も団地住み始めた時に、全部ふすまを外したのですが、すごい厚みになってしまい、家のどこに置いておいたらいいのかと悩みました。こういったふすま収納があると、非常に便利です。

暮らしのテーマ4「素材を大切に」です。先程紹介しましたスイッチプレートと1/2サイズのい草の畳も作りました。
松本
なぜ1/2サイズなのかは後ほど詳しく説明をさせていただきたいと思います。

最後は、テーマ5「水回りが気持ちいい」です。
松本
水回りに特化したテーマとなっていて、先ほどご紹介した持出しキッチンやオリジナルのアクセサリー、ユニットバスなどをも積極的に取り入れています。
実際に展開されている住戸を紹介させていただきます。
佐々木
はい。MUJI×UR Parts Roomの設計を私が担当したので紹介させていただきます。まず、UR西日本支社でMUJI×UR Parts Roomの取り組みがどのくらい進んでいるのかについてですが、現在5団地で展開中です。
今年度から取り組みを始めたこともあり、完成している住戸がまだ限られていますが、並行していろいろな団地でParts Roomが出来上がっています。
今回ご紹介するのは、私が担当した資料中央にある中宮第3団地です。先程、松本さんから団地まるごとリノベーションの取り組みでも紹介されました、プールのある団地になります。
中宮第3団地のお部屋では、暮らしのテーマ2「木に触れる」を採用していて、こちらは完成しています。
佐々木
プランがAとBの2つあるので、プランAから紹介します。比較できるように、ビフォーとアフター の資料を用意しています。
佐々木
まずはダイニングキッチンです。 床は共同開発パーツのラワン合板フローリングに変えています。厳密に言うと、ホールや洗面脱水所の部分もラワン合板フローリングになっています。
先ほど二宮さんから紹介がありました、URオリジナルリノベーションプランの「choi+(ちょいたす)」と同様に、この和室(1)のふすまを取り、簡易的にリビング、ダイニングキッチンとしています。 また、和室は麻畳に変えています。
そして、Parts Roomとは関係がない部分なのですが、洗濯機置き場が元々ないプランでしたので、物入れのところを洗濯機置き場に改修しています。

続いて、プランBです。こちらもプランAと内容はほとんど一緒となっています。
佐々木
ただ、洗面所の床はクッションシート張りとし、利便性を重視したところがプランAとの違いです。
佐々木
実際の写真のご紹介です。まず左側がラワン合板張りにしたダイニングとなります。奥にあるキッチンの方に共同開発パーツの木製取手が取りつけられています。
キッチンに木製取手をつけることで、ラワン合板の床の相性が良くなっているのが見て取れると思います。
続きまして、右側の写真は麻畳に変えたリビングです。ダイニングと連続した空間となっています。
佐々木
こちらのお部屋を少しフォーカスすると、左側の写真にあるように、木製スイッチプレートを取り付けているのですが、完全に均一なものにはなっていません。ムラを楽しむような、そういった雰囲気が出ているかなと思います。右側の写真は木製取手を取り付けたキッチンの拡大写真です。可愛いですよね。
松本
こちらのキッチンは琺瑯(ほうろう)ですか?
佐々木
はい。そうです。
松本
これはラッキーなやつですね。70・80年代頃のキッチンは琺瑯が使われていることがあります。その時代以降は化粧板に変わっていってしまうんです。
佐々木
素材感があるもの同士の相性がいいなと思いますね。
続きまして、先ほどご説明した物入れを活用した洗濯機置き場です。細かいところになりますが、上のコンセントの部分もちゃんと木製スイッチプレート取り付けています。
元々物入なので、上に枕棚があるのですがそちらも木製なので、スイッチプレートの相性がよかったのでそのまま残しました。
佐々木
資料の中央が、ふすまを撤去してLDK化している写真となります。通常であれば敷居の部分を人工的な塩ビでつくられたものを使用することが多いのですが、今回はParts Room暮らしのテーマ2「木に触れる」を生かすため、木の単板貼りをすることで他のパーツと雰囲気が統一されるようにしました。
1番右側が玄関から入った時の写真になります。玄関床シートや、框の見切りなどもMUJI×UR の住戸で使用されているものを活用し、より空間の統一感を出すことができました。
松本
ありがとうございます。
資料の写真がParts RoomなのにMUJI×URのようです。
佐々木さんと二宮さんはまだ20代の若い職員さんですが、MUJI×URの思想にどんどん洗脳できていますね。
佐々木
確かにそうですね笑
今回担当をしたことで洗脳された感じがします。
松本
いい取り組みですね笑

ありがとうございます。