MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト リレートーク vol.2
千葉海浜ニュータウン5万戸の団地再生への取り組み

※このレポートは、2014年5月27日に日本デザインセンターPOLYLOGUEで行われた、パネルディスカッション式のトークイベントを採録しています

鈴木
これまでお話したのは住まいに関わる問題でしたが、もっと深い問題があるように思います。住まいは良くしたけれど、街が良くならないと人が来ない、そういった問題に突き当たります。
鈴木
高齢化率ですが、海浜ニュータウンの駅から遠いところでは40%を超えるところがあり、若い人が抜けてしまっています。若い人にとっての魅力が無くなっているんです。そうすると高齢者も住み続けられ、若い人も入ってくる街にしなければいけない。孤独死も増えているし、貧困の街になっているし、外国人が増えています。また、多くの住棟には階段しかない。その他色々な課題があるのですが、課題の原因、結果が循環的なんです。一つの課題を解決しても、その前の原因につながり、次の結果に繋がっているので、それを包括的に対応していかないと、良い街にならないということです。私たちはこういった活動を10年くらい続けています。新しいキーパーソンに会うこともありますし、補助金が入ったり、スパイラル的に活動を展開しています。
 
ちば地域再生リサーチの活動は大きく6本の柱があります。

1.住まいのリペア・リフォーム
2.コミュニティ・暮らしサポート
3.団地学校
4.コミュニティ・アート
5.エリア経済の活性化サポート
6.住まい・町再生サポート

まず「2.コミュニティ・暮らしサポート」の買い物サポートです。本人からは1回あたり50円いただきまして、スーパー等から協力金として一袋あたり50円いただきます。件数としては多くて一日10件です。スタッフの時給は千葉県の最低賃金。しかも、運んで行っては話し込みますから、すぐには帰ってきません。効率は悪いですが、やる必要があるのでやっています。なので、待ち時間に網戸や襖、椅子等をリペアしています。そういうことをやってもらう方たちを私たちは“レディース隊”と呼んでいます。

居場所づくりで上手くいっているのが“三世代交流拠点”です。子供を介して高齢者も集まる居場所づくりをしています。また、新潟の方と田舎との交流プロジェクトも進んでいます。田んぼアートを毎年行ったり、田植え、稲刈りで都会の人が来て、一緒に田舎のご飯を作って食べるという交流をしています。

3.団地学校」は、様々な趣味や特技を持つ団地住民が他の住民に教えるような場づくりです。地元密着のカルチャーセンターのようなもので、折り紙教室では、おばあちゃんがおばあちゃんに教えています。引きこもりにしないし、おしゃべり仲間ができる場となります。
また、地域のマイスターとして特技を持っている人達に集まってもらって、講習会だけじゃなくて、地域の活性化につながる仕掛けづくりにも協力いただいています。

次に、アートによるコミュニティづくり「4.コミュニティ・アート」です。古くなったショッピングセンターを減築により、リノベーションをしました。その二階部分の約800平方メートルに地元のアーティストさん達が創作活動できるスペースや、ギャラリーをつくりました。切子細工の人や、陶芸作家等様々な人が集まって活動しています。また、アートで地域全体を盛り上げるフェスティバルを開催します。私たちがやっているのは現代美術ではなく、誰もがアーティストになれるというものです。

ロンドンの団地と千葉の団地で、コミュニティアートのエクスチェンジプログラムを実施しました。ロンドンの団地からアーティストに来日してもらい、日本からアーティストが行く、という交換です。
鈴木
ロンドンのアーティストは日本の団地で、フェンスのほころびに目をつけ、住民さんたちとで毛糸で花の形を編んでパッチワークをし、共働きで修繕するということをやっていました。